「辛口コラムニスト」による2025年「連ドラ」批評 主演男優賞は「松坂桃李」 栄えある主演女優賞は?
ワースト2位
アナ:この4作が年間ベストの3位となると、2位と1位は一体……と考えてしまうんですが、次に発表されるのはワーストの2位ですね。
林:そう。では、2025年の連ドラ、ワーストのほうの第2位は……
▼「絶対零度~情報犯罪緊急捜査~」【フジテレビ系/月曜21時/10月期】
▼「キャスター」【TBS系/日曜21時/1月期】
▼「天久鷹央の推理カルテ」【テレ朝系/火曜21時/4月期】
▼「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」【フジ系/木曜22時/1月期】
▼「終幕のロンド〜もう二度と、会えないあなたに〜」【フジ系・関西テレビ制作/月曜22時/10月期】
アナ:林さん好みの阿部寛さん主演作が年間ワーストに選ばれたのが不思議ですが、この5本の選定理由は?
林:単純明快で、ヒトはいいはずなのにホンやシゴトが低レベルなドラマです。それぞれの主演は、「絶対零度」が沢口靖子、「キャスター」が阿部寛、「天久鷹央~」が橋本環奈、「日本一の最低男」が香取慎吾、「終幕のロンド」が草彅剛。これだけの役者を引っ張ってきといてこの出来かよ……という落胆物件。
アナ:確かに、いずれもメインを張る顔ぶれは豪華ですが、作品の数字や評価は高くないですね。「キャスター」だけは視聴率の面で好調だったものの、設定や脚本については批判や疑問が多く出て、林さんも酷評していました。
沢口靖子に同情
林:無理筋なホンを渡された阿部チャンが、力業でヒット作にするというのは今回が初めてじゃなくて、前編で話が出た2022年の「DCU~手錠を持ったダイバー~」(TBS系)と同じだから、「キャスター」は“ああ、またか”と肩をすくめてやり過ごしてもいいんだけれど、見過ごせないのは沢口靖子でコケた「絶対零度」。
アナ:ああ、テレ朝の「科捜研の女」からフジの月9に横滑り……といった形で、良くも悪くも話題になりました。
林:ついに打ち切りらしいテレ朝の「科捜研の女」から東宝のお姫様を駆り出してきたのはいいとして、企画はまたもや警察モノ。「科捜研の女」に似通った枠に沢口を嵌めるのなら、「科捜研の女」の数字が落ちてきた理由をきっちり分析して対策を打たなきゃいけないのに、実際に押し込んだ先は、これまで上戸彩や沢村一樹が主演を務めてきたようなレベルの「絶対零度」シリーズで、しかもこれがまた当たらなかった。
アナ:急ごしらえの安易な作品に見えてしまったという面がありますね。
林:大女優が常に名作に恵まれるというわけにいかないことは、それこそ吉永小百合を見ればよくわかるけれど、20年以上続いた当たり役(「科捜研の女」の榊マリコ)を卒業しようというキャリアの節目での“移籍”がこれじゃあ、ワタシゃ沢口靖子に同情するよ。元来、器用な役者というわけじゃないしね。
アナ:嵌まり役や固定されたイメージを持つ役者さんのつらさ、というのはありますね。
林:「終幕のロンド」が不調だった草彅にも似たことが言える。NHKの朝ドラ「ブギウギ」(2023年度後期)で脇(服部良一がモデルの羽鳥善一役)に回っての芝居がよくて、歳を取っても続けられる名脇役へと脱皮する方向性が見えてきたのに、民放の連ドラではまた元SMAPのスターというキャラに戻らなきゃならない。なんだかやっぱり、草彅がかわいそう。
アナ:わかります。でも、ここは気を取り直して、2025年の連ドラ・ランキングの発表を続けてください。
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