公開から40年も「バック・トゥ・ザ・フューチャー」限定上映が大ヒット! 「SF映画の最高傑作」鮮やかすぎる“伏線回収”の魅力

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公開40年でもトップ3

 2025年12月12日から、全国106館で「公開40周年限定上映」がスタートした1985年公開のSF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」が、初日から3日間で動員8万6,000人、興収1億9,800万円を記録した(「国内映画ランキング」興行通信社調べ)。今回は史上初のIMAXと4DXでの上映。当初は1 週間限定上映の予定であったが、好況につき上映期間が延長となった。

「IMAXと4DXは通常の劇場鑑賞券に比べて割高です。しかも、すでに大半の動画配信サイトで視聴できる。にもかかわらず、割高のチケット代を払ってでも見たいという、根強いファンが多かったのでしょう。まさかのトップ3へのランクインでした」(映画業界関係者)

 日本よりもひと足先に公開された米国では、10月31日から11月2日の「全米映画ランキング」において初登場5位を獲得。週末の興収は470万ドル(約7.2億円)を記録し、その時点で過去の上映と合わせて、全米での累計興収は22.2億ドル(約341.5億円)に達した。

 公開から40年、日米の映画ファンからいまだに愛されている同作は、85年の米・カリフォルニア州が舞台だ。高校生のマーティ・マクフライ(演・マイケル・J・フォックス、64)は、近所に住む親友で科学者のエメット・ブラウン博士(通称・ドク、演・クリストファー・ロイド、87)が愛車のデロリアンを改造して開発したタイムマシーンの実験を手伝う中、誤作動で1955年の世界にタイムスリップしてしまう。

 マシンの燃料切れで困ったマーティは、55年当時のドクを探し出し、未来に戻るために力を借りることに。そんな中、若き日の両親の出会いを邪魔してしまい、このままでは未来が変わり、自分がこの世に生まれてこないことになってしまうため、未来に戻る前になんとか両親の仲を取り持とうと奮闘する姿が描かれる。

 作中では、序盤から日本でも大ヒットした米のロックバンド、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの主題歌「パワー・オブ・ラヴ」が流れ物語を盛り上げる。また、マーティとドク以外にも、うだつのあがらないマーティの父親・ジョージ(演・クリスピン・グローヴァー、61)、口うるさい母親・ロレイン(演・リー・トンプソン、64)。マーティのガールフレンド・ジェニファー(演・クラウディア・ウェルズ、59)、「ドラえもん」のジャイアン的なキャラで、ジョージとの子どものころからの上下関係を大人になってからも続けるいじめっ子キャラのビフ(演・トーマス・F・ウィルソン、66)など個性的なキャラが勢ぞろい。

 94年公開の「フォレスト・ガンプ/一期一会」で、アカデミー作品賞・監督賞を受賞するロバート・ゼメキス監督(73)がメガホンを取っている。いまだに、「SF映画の最高傑作」としてたたえられる同作だが、その魅力とは?

「タイムトラベル作品ではありますが、過去と未来を1往復するだけです。しかし、デロリアンは映画史場に残るタイムマシーンと言われています。作品の冒頭から数々の伏線がバラまかれ、タイムスリップした過去でそれが続々と回収されます。デロリアンは時速約140キロに達すると時空を超えるというメカニズムでしたが、その実験シーンから観客がずっとハラハラドキドキさせられる展開に。友人や恋人だけでなく、家族でも楽しめる映画なのです」(映画担当記者)

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