「渡辺謙の億単位の借金をすべて整理」 コワモテで鳴らした“芸能界のドン”ケイダッシュ・川村会長の素顔【追悼】

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抑えきれない怒り

 そんな川村会長に、寝耳に水とでも言うべき出来事が。新興の芸能事務所「コンテンツ・スリー」に所属する今田美桜(28)を巡って、訴訟トラブルが発生したのである。

 2018年から「コンテンツ・スリー」と「ケイダッシュ」グループの田辺音楽出版の間では、今田のマネジメント業務に関しする提携契約が結ばれ、「今田のCM出演料の3割を田辺音楽出版に支払う」との取り決めが交わされていた。

「訴訟に発展する端緒となったのが、昨年8月です。コンテンツ社が“提携契約は年内で終了する”との通知を田辺側に送ってきたのです。事前に相談もない突然の通告でしたが、実はそれ以前から、田辺側の不信感は膨らんでいたといいます。というのも、今田が『あんぱん』のヒロインに決定した昨年2月頃から対価の支払いが目立って滞り始めたのです」(事情を知るプロダクション経営者)

 さらに別の問題も発生したという。

「契約終了通知を受け、田辺側がCM出演契約に関する情報開示を求めたところ、拒絶されたといいます。開示されないと、正確な未払い金額の算定だけでなく、これまで払われてきた額が本当に3割だったかの確認もできない。一切の交渉にも応じようとしないコンテンツ社側の対応に、まだ存命だった川村会長も激怒したと聞いています。法廷闘争へ打って出た背景には、筋を通そうとしないコンテンツ社の水野代表に対する会長の抑えきれない怒りがあったと言われています」(同)

“仁義なき戦い”の争点

 今田といえば、今年上半期のテレビCM放送回数ランキングで、昨年1位だった綾瀬はるか(40)を抜き、女性部門のトップに立ったばかり。CM女王の座が近づくほど、田辺側にすれば本来受け取るべき未払い分が増えていく結果になった。

 芸能関係の契約問題に詳しいレイ法律事務所の河西邦剛弁護士が言うには、

「これまで対価を払い続けた実態があり、契約終了の通知をしていることから、コンテンツ・スリー側も契約の存在自体は認めていると推認できます。となれば、契約を終了するに当たり、支払いを拒める相応の理由や根拠が果たしてあったのかが争点になると考えられます」

「今田の日頃の積み重ねでいただいた仕事」

 田辺音楽出版に取材を申し込んだが、

「係争中のため、お答えすることはございません」

 コンテンツ社に見解を問うと、

「今田がいただいているお仕事につきましては、日頃の積み重ねや、本人の姿勢を評価してくださった制作の皆さまのご判断により、オーディションやご依頼の形でいただいた機会でございます。(中略)そのお気持ちを損なうような形で(取材に)語ることは本意ではございません」

 と回答を寄せた。

 新旧の雄による“仁義なき戦い”を、川村会長はどんな想いで見つめているのだろうか。陰に陽に芸能界をけん引し、最期まで波乱に満ちた生涯だった。

 第3回【“17億円大豪邸”で過ごしたみのもんたさんの晩年 「敷地は3000坪」「お風呂からは江の島と富士山が見える」】では、今年3月に亡くなったみのもんたさんが一人晩年を過ごした大豪邸の内部事情について報じる。

デイリー新潮編集部

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