“2分差なら射程圏内”と語る「山の名探偵」に“インカレ2冠”の主将…早稲田大学は15年ぶりに「箱根」を制すか? 名門の戦力を徹底分析
凄まじいダメージを受ける山下り
「改めて振り返ると、いろいろな人から『6区を走った後には凄まじいダメージを受けるよ』と言われていましたし、それが理由なのかなと思います」
箱根駅伝で激走を見せた山﨑は、大会を終えて程なくして「思い通りに走れない日々」を経験。一時は貧血によりタイムが伸びず、 Bチームへの降格も経験した。その症状は半年ほど続き、精神的にも辛い日々を過ごしたそう。
だが、練習距離を伸ばせずにいる中でも、選出外の部員が抱える上に対する熱い気持ちに触れる中で次第に復調し、再び16名のエントリーメンバーに滑り込んだ。
「不調の時も、区間賞獲得を目指して練習を続けていたことが、今となっては良かったと思います。後続との距離を少しでも離せるように出来れば57分台、少なくとも58分20秒くらいで走り抜けたいと思います」
一時はどん底を味わった下りのスペシャリストが、リベンジに燃えている。
GMO時代に縁 原晋監督率いる打倒・青山学院に燃える
「多くの力のある学校が出場しますが、私たちも力のある選手たちを起用できました」
就任4年目を迎える花田勝彦監督が、自信を持って選手を送り出す102回目の箱根駅伝は、監督にとって自身が指導に携わった選手たちだけで挑む最初の大会でもあり、これまでの真価が問われることになるだろう。
「巷では『5強』と言われていますが、やはり9回目の優勝を目指す青山学院が一番強いと思いますし、そこに勝たないと優勝はないかなと。私がGMOアスリーツの監督をさせていただいていた頃、アドバイザーを務めていただいた原晋さんの前を走り抜けて、大手町に辿り着けたらと思っていますが、まずは自分たちの実力をしっかり出し切っていくことを重視し、本番に臨みたいです」
優勝に向けて確かな期待を寄せる花田勝彦監督は、今から遡ること33年前、第69回大会(1993年)の4区で区間新記録の激走を見せ、早稲田大学は8年ぶりの総合優勝を成し遂げた。母校に戻った指揮官は、再びかつてのような歓喜の瞬間を迎えることができるだろうか。
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