43歳・元NHKキャスター、大きな胸が原因で「苦情殺到」 ネットで毎日晒され、“自宅待機”に追い込まれた過去

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竹中知華アナ・インタビュー

 ラジオ沖縄のアナウンサー・竹中知華さん(43)は、かつてNHK沖縄でキャスターを務めていた。当時、タイトな着こなしから覗くボディラインが、視聴者の目に留まり、注目の的となってしまう。どのようなことが起こり、どう思っていたのか、改めて聞いた。(全4回の第4回)

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 26歳からキャスターとして働いたNHK沖縄では、主に5分間のニュースを担当していました。仕事自体は楽しかったんですが、この時に、自分の胸がネット上で大きく話題になってしまったんです。

 沖縄は気候柄、薄着になることが多く、ニュースを読む際も、堅苦しいジャケットではなく、かりゆしなどカジュアルな服装で読んでいたんです。その時に胸が目立ってしまい……大騒動になりました。

 まず、インターネットの掲示板「2ちゃんねる」で毎日、写真がアップされるようになりました。写真に変な加工されたりして、すごい状況でしたね。

 会社には、「ニュースを読んでいる人の胸が大きいのが気になって、ニュースが頭に入ってこない」などの苦情が届くようになります。会社からは、「できるだけ目立たないように、服装に気をつけてね」という指示もありました。

 ネットで話題になったことがきっかけで、週刊誌の記者が会社の近くまで張り込みに来たこともありました。「竹中さん」と声をかけられ、振り向いた時に写真を撮られて、名刺を渡されて……「怖すぎる」と思いましたね。その直後は、1週間ほど自宅待機していました。

 この時は正直、どうしようもありませんでした。ニュースを見たくて見ている視聴者も、苦情を伝える会社の上司も、自分の体も、誰も悪くない。にもかかわらず、「なんか、すみません」と言わなければいけないことが、すごく悔しかったですね。

 ニュースを淡々と読むという仕事しかしてこなかった私にとって、自信を持てるものがなかった時期でもありました。そんな中、自分の胸が話題になってしまい、「自分はニュースを読む場所にはふさわしくないのかもしれない」と感じたこともあります。自分の個性を否定されているような気持ちでした。

辛いと思わないように

 それでも、心が折れなかったのは、自分を否定したくなかったから。辛いと思っていること自体が、自分を否定していることだと思ったんです。だから、辛いと思わないようにしようというマインドでしたね。

 そこから、徐々に外に目を向けていきました。NHK沖縄ではたくさんのことを学ばせていただきましたが、個性を発揮できる場所ではありませんでした。自分に自信を持つために、個性を発揮できる場所を求めて、フリーになりました。

 NHK沖縄には丸7年間在籍しました。契約が満了した翌日に、自費出版で写真集『ASAKARA TOMOKA』を出したんです。自分の胸について「コンプレックスを感じていない」ということを知ってほしかったのと、沖縄の人たちに「竹中知華をより知ってほしい」という思いからでした。

 フリーになった直後くらいは、地元の人から「胸、大きいんだよね」と言われて、「そうなんですよ」と返していました。そういうノリというか、コミュニケーションのひとつなんです。今はそういった会話はありませんが、当時、嫌な気持ちになるということはなかったですね。

 ヤフーなどのコメント欄には、色々な意見が寄せられますが、私は2ちゃんねる世代として生きてきたので、心無いコメントにも動じなくなっています。反応がなければ、逆に怖いと思うくらいです。ただ、事実でないことが書かれて、それが独り歩きするのは、困りますね。

 リスナーさんから「大丈夫?」と心配されることもあるのですが、むしろ「そのコメントを読んだリスナーさんが落ち込んでいるかもしれない」と心配になるくらいで、私自身はもう何とも思わなくなりました。

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 第3回【20代で離婚、プータローに…43歳アナ、全部正直に話してつかんだ「NHK沖縄キャスター」】では、竹中さんが激動のアナウンサー人生を振り返っている。

竹中知華(たけなか・ともか)
1982年、広島県呉市出身。青森朝日放送などを経て、2008年からNHK沖縄の契約キャスター。15年にフリーに。17年、ラジオ沖縄に入社。現在、「華華天国」でパーソナリティを務める。

デイリー新潮編集部

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