藤川阪神が“ドリスと再契約”の理由…球団史上初「セ・リーグ連覇」のカギを握る「右のリリーバー」問題
名簿漏れから4度目の契約
阪神タイガースが今オフの補強ポイントに掲げていたのが「右のリリーバー不足」。その課題が一気に解消されるようなニュースが飛び込んできたのは、12月19日だった。前パイレーツの右腕リリーバー、ダウリ・モレッタ(29)の獲得である。
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「モレッタは24年3月にトミー・ジョン手術を受け、25年シーズンはほとんど投げていません。しかし、ドミニカ共和国でのウインターリーグでは5登板と少ないながら、『K%(奪三振率)』が53.3%と高い数値を残しています。手術前は曲がり幅の大きいスライダーと、シュート系の変化球も投げていました。そのシュート系の変化球は、投球分析家で知られるアナリストのロブ・フリードマン氏が『Wrong Way Slider(間違った方向に曲がるスライダー)も投げる』と紹介し、注目されたこともありました」(現地記者)
手術明けの復調過程にあるようだが、楽しみな投手の一人だ。そのモレッタの獲得とほぼ同時に飛び込んできたのが、ラファエル・ドリス(37)との“再契約”である。
「12月2日に公示された契約保留選手の名簿に、ドリスの名前はありませんでした。名簿に名前がないということは自由契約です。彼が名簿漏れで阪神球団からの自由契約を伝えられたのは、これで実に4度目。16、18、19、25年がそうでした」(在阪記者)
契約保留者の名簿から外れたら、他球団とも交渉、契約ができるわけだ。4度目の名簿漏れと聞くと、「他に良い投手がいたら、ドリスとの契約は見送る。でも見つからなかったから」ということなのだろうか。新加入のモレッタについては、こんな意見も聞かれた。
「トミー・ジョン手術を受けたので、今季は後半戦の18試合にしか登板していません。打高低投の傾向が強いドミニカ・ウインターリーグで53.3%もの奪三振率をマークしたのはさすがですが、同リーグに参加する選手は自由契約になった選手か、マイナーリーガーばかり。自分を売り込むため、試合に出たがるはずです。5試合しか投げなかったので、まだ本調子ではないのかもしれません」(前出・現地記者)
右のリリーバーの強化は、秋季キャンプ中の藤川球児監督(45)も、何度も口にしていた。モレッタの不安定さを経験豊富なドリスで、という考えもあれば、来季38歳になるドリスを休ませながら起用するので、それをモレッタでカバーする、というプランかもしれない。
もっとも、竹内孝行球団副本部長は「貴重な戦力として頑張ってもらいたいと思います」と、ドリスへの期待をメディアに語っており、モレッタとドリスにブルペンを支えてもらわなければならないのが、トラのブルペン陣の真相のようだ。
「ドリスと再契約していなければ、阪神の外国人選手は総入れ替えとなっていました。25年シーズンの途中入団だったので、同年の年俸は10万ドル(約1560万円)。来季の新年俸は65万ドル(約1億円)ですから、首脳陣が期待し、戦力として計算しているのは本当でしょう」(前出・在阪記者)
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