「党の方針と矛盾し過ぎていてめまいが…」 維新議員が「国保逃れ」に使った脱法的スキーム 「100万円以上浮くケースも」

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自民党を「組織的犯罪集団」と呼んだが……

 一議員でもかような危機感を覚えている一方で、吉村知事の動きは鈍い。所属議員全体の調査に踏み切るまでにも時間がかかったほか、当初は12月26日までにまとめるとしていた結果も「年内は難しい」との見方を示している。

「足立議員がSNSなどで、東京の維新の議員たちにも同様のスキームが広がっていた可能性を指摘しています。“国保逃れ”を提案している企業や法人は他にも多数存在するため、調査を広げると処分者が続出する可能性を考慮したのではないか」(前出の維新の地方議員)

 かつて維新は裏金問題を抱えた自民党を「組織的犯罪集団」と呼んだ。今やその批判がわが身に返ってきているといえよう。

 ジャーナリストの吉富有治氏が語る。

「維新で不祥事が相次ぐ原因は“身を切る改革”という党是にあると思います。議員活動には多額の経費がかかる一方で、党としては被災地への寄付や報酬カットを励行している。その結果“背に腹は代えられぬ”とこうした脱法的な金策に頼る議員が出てきては、本末転倒です。自己申告の不完全な調査で今回の件を終わらせず、第三者委員会などで組織的なスキームの実態を明らかにすべきです。組織風土の問題でもあり、吉村さんをはじめ執行部が責任を取る姿勢も求められます」

 日本維新の会と前出の法人に事実関係や見解を問うたが、期日までに回答はなかった。

 身を切るどころか甘い蜜を吸っているようでは、与党の座も長くはあるまい。

 前編では、維新議員の国保逃れ問題が表面化した経緯について報じている。

週刊新潮 2026年1月1・8日号掲載

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