“遠慮”と“謙遜”はいまも日本人の美徳か…褒められたら笑顔で「ありがとうございます!」と返す若者が清々しいワケ
堂々と褒め合い、厚意は喜んで受けるべき
私の場合、地方都市に住んでいるにもかかわらず、自動車を持っていない。理由は、運転をして人身事故を起こしたくないからである。そのため、移動をする時は知人の厚意に甘えることが多い。そんな人々にお礼をする方法は、自らが釣ってきたアジやらイカをおすそ分けすることである。当然、食べるにあたって手間をかけさせたくないため、ウロコやら内臓は取って捌いておく。
皆さん「うひゃー、これで美味しい刺身が食べられる!」や「こんな新鮮なイカはないですよ! ありがとう!」と言ってくれるのだが、これが実に心地よい。
こうして遠慮を排除した関係性というものは心地が良い。それこそ、「息子さんも立派になられて……」やら「いつもご活躍を見ています」などと言われた時に「いえいえ、まだまだですよ」と遠慮や謙遜をするよりも、「ありがとうございます! お陰様でなんとか頑張れてます」と言った方が圧倒的に人間関係としては快適である。
欧米では遠慮や謙遜はそこまでないと私自身アメリカに約5年住んだ経験から感じている。何しろ「ウチの息子は頭がいいのよ」や「私の焼くステーキは本当においしいと評判なのだ」などと知人から堂々と言われるのだ。
それを「親バカ」やら「分不相応な自慢」と捉えるのではなく、言われた側も心から同意し、ホメ、感謝する。こうした欧米的な文化にようやく日本も追いついてきたのかな、と昨今の風潮を見て感じる次第である。
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