浜崎あゆみは「悲劇のヒロイン」を降りられる? 来年の「年女」二人を占う

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あゆと同い年の歌姫たちは今も時代をけん引 1990年生まれの午年女性も個性派ぞろい

 どちらが正しいという話ではない。ただ、年齢を重ねた女性スターがどう成熟を表現するかという点で、二人はあまりにも対照的だ。

 あゆは同い年かつデビュー同期の椎名林檎さんやMISIAさんらと自分を比べ、歌唱力などに劣等感を抱いていたと吐露していたことがあるが、あゆが同世代の歌姫たちより足りないのは歌唱力より軽やかさかもしれない。「世間が求めるカリスマとしてのわたし」という平成の額縁にあゆが必死にしがみついている間に、他の歌姫たちは若きライバルたちと競い合いながらアップデートを重ね、独自の道を開きながら令和の今も走り続けている。

 午は、立ち止まらず走り続ける干支だといわれる。来年もキョンキョンはきっと、また軽やかに時代を裏切り続けるだろう。あゆがもし、「悲劇のヒロイン」を降りる選択をするなら、それは彼女にとって最大のアップデートになるはずだ。

 ちなみに、あゆのさらに下の午年女性には、miwaさんにローラさん、浅田真央さん、そしてゆりやんレトリィバァさんといった面々がいる。なかでもゆりやんさんは、芸人という枠を超え、語学、ボディメイク、演技、ラップ、海外進出と、多分野のセルフプロデュースで結果を出し続けている才女だ。自己愛を笑いに変え、失敗すらコンテンツに昇華する姿勢は、キョンキョン的なしたたかさも、あゆ的なしぶとさも感じさせる。

 キョンキョンは、あゆは、若き午年の年女たちは、どんな走り方を見せてくれるだろう。きっと午年は、速い者が勝つ年ではない。自分の脚でどこへ走るかを決められる者が、最後まで駆け抜ける年になるはずだ。

冨士海ネコ(ライター)

デイリー新潮編集部

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