「暴言」「口止め工作」で処分の「町田ゼルビア」黒田監督 「青森山田高」指導時にも“不祥事隠蔽”を報じられていた

スポーツ

  • ブックマーク

 12月23日、JリーグはJ1「FC町田ゼルビア」の黒田剛監督(55)にけん責処分を下した。Jリーグが裁定委員会に諮問の上、認定した事実によれば、黒田監督は2023年頃から自らの意向に従わない選手に対し、「造反者」といった趣旨の発言をしたり、特定のコーチを大声で怒鳴る、懇親会でスタッフに暴言を投げつけるなどの言動が見られたという。何より、それが発覚した後も行為を否定し、反省の姿勢が見られなかったばかりか、チームの関係者に真実を語ることを躊躇させるような発言、すなわち「口止め」すら行っていたという。

 黒田監督は、町田の監督に就任する前は青森山田高校サッカー部の監督として、同校を3回の全国制覇に導くなどの実績がある。しかし、毀誉褒貶があり、「週刊新潮」では3年前、同校サッカー部の部員の不祥事が発覚した際に、同様の「口止め」と見られる言動があったことを報じている。以下、その記事を再録し、黒田監督の指導者としての資質について改めて検証してみよう。
(以下は「週刊新潮」2022年3月10日号記事を編集の上、再録しました。文中の年齢や肩書は当時のものです)

 ***

「この件について、僕たちは本当に怒っているんです。学校が隠蔽したと言われても仕方ありませんから……」

 そう言葉を振り絞るのは、青森山田高校のサッカー部員である。発端は昨年(2021年)2月のこと。200人を超える部員の多くが生活を送る寮のひとつで、冷蔵庫にビールやチューハイなどが入っているのを当時の2年生が発見。さらに“捜索”を進めると、他の寮でも冷蔵庫から酒が出てきたという。

 その週末、校舎内のホールにて、“飲酒していた”と目される者を除いた部員たちが集められた。説明に立ったのは、監督を務める黒田剛氏(51)である。黒田監督は1995年に監督に就任し、当初は決して強豪とはいえなかったサッカー部を25年以上にわたる指導で全国区へ押し上げ、いまや“名将”と評されるまでになった人物である。

「監督は彼らが酒を飲んだとは言わずに、“酒を飲もうとしていたことが分かった”と説明しました。それだけでも卑怯ですが、その上で、“これは青森山田内の問題だ。部内だけで収めろ”“親や友達に言うな。SNSにもあげず、入学する新入生にも言うな”と口止めをしたのです」(別のサッカー部員)

次ページ:「俺、直接関わっていないから……」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。