「暴言」「口止め工作」で処分の「町田ゼルビア」黒田監督 「青森山田高」指導時にも“不祥事隠蔽”を報じられていた

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「俺、直接関わっていないから……」

 さらに1週間後、「酒を飲もうとした」部員が謝罪する場があったが、

「20名ほどの当時の2年生がホールの前でズラッと並んで、ひとりずつ全部員に対する謝罪の言葉を言っていました。“自分たちの行動で迷惑をかけてすみません”というような言葉だったと思います。そこでも前回同様、監督は口止めをしていました」(同)

 未成年の飲酒は法律違反であるが、暴力事件や陰湿ないじめではなく、過ちがあればそれを正すのもまた教育だろう。一連の事実について、責任者である黒田監督を直撃すると、

「俺、直接関わっていないから、わからないんだけど。隠蔽じゃなくて……。最高責任者じゃないんで。学校には校長がいるし……」

 代わって、青森山田高校の花田惇校長に取材すると、寮内で酒が見つかったことについては「事実」と認めつつ、10人前後を無期停学処分にしたとも明かした。

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 本件が報じられた年に黒田氏は同校の監督を退任し、10月、J1昇格を目指していた町田の監督に招聘された。藤田晋オーナーの鶴の一声だったとされる。プロ経験のない人物がJリーグの監督に就くのは異例中の異例であったが、黒田氏は早速実績を上げ、就任1年目の2023年にJ2で優勝し、J1昇格を決める。J1一年目の昨年も優勝争いを演じて3位。今年も天皇杯で初優勝するなどチームは脅威の躍進を遂げた。

 一方で、ロングスローの多用や、終盤の時間稼ぎなど、勝利に異常なまでにこだわるサッカーは、「つまらない」との批判も招くことに。さらに、昨年はPKを蹴る前にボールに水かけをしたり、ロングスローの際にスリップを防ぐため、タオルでボールを吹いたりする行為が「子どもに見せられない」などと、おおいに疑問視された。

 そして、今回のけん責処分。

 これを受けて、黒田監督の立ち居振る舞いがどのように変わるのか。注目される。

 関連記事「『ボールに水かけ』をジュニア世代が真似たら… 誹謗中傷騒動J1『町田』をJリーグ関係者はどう思っているのか」では、町田のプレー姿勢について、Jリーグ関係者の本音を詳報している。

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