小川前市長の“密会相手”が直面する厳しい現実 退職金ほぼ半減で「ホテル通いの代償が1300万円だったことに」

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 間違いなく、今年最も注目された二人組だろう。群馬県前橋市長だった小川晶氏(43)と元秘書課長である既婚男性のホテル密会の余燼(よじん)は、いまだに鎮火しないどころか、日に日に延焼を広げている。

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モンスターの相手

 密会の発覚後、“打ち合わせをするべくホテルに誘ったのは自分だ”という文書を公表してから、沈黙を守っている元秘書課長。彼の近況が伝わってきたのは12月9日のことである。

「前日の行政処分審査委員会で、停職6カ月の処分が決まりました。“信用失墜行為の禁止”に違反したからです。9日に本人に処分書を渡し、その日のうちに本人から退職願の提出がありました」(市の担当者)

 かくして年末での退職が決定した彼だが、

「先月から“クマ対策”に従事していました。“小川さんやクマなどモンスターの相手ばかりで大変そう”なんて言う人もいた」

 そう明かすのは、さる市政関係者。市の有害鳥獣対策係に聞くと、

「この時期にはクマやイノシシ、シカが多く出没するので、かなり忙しいんです。人手が足りないので、他の課からも応援に来てもらうのですが、その中の一人に彼もいたという感じです」

 具体的な業務は、

「市民の方からの“クマが出ました”といった通報を受けてもらいました。窓口対応も少しはあったと思いますが、基本的には電話対応です。いたって普通に働いていました」(同)

 いささか気になるのは、50代半ばの彼が手にする退職金である。公務員制度に詳しいジャーナリストの若林亜紀氏が言う。

「定年まで数年残して自己都合退職した場合、およそ1700万円の退職金になると思います。もし定年まで働いて等級も上がっていれば、約3000万円になった可能性もある。ホテル通いの代償が1300万円だったことになります」

涙を浮かべて……

 お相手が失職する一方、来年1月の市長選に向け、小川氏は意気軒高そのもの。

 先の市政関係者によれば、

「市長を辞めた後、小川さんは支援者に謝罪行脚していた。先方が“もう一度選挙に出た方がいいよ”と言うまで、涙を浮かべて立ち去らないそうです」

 今月14日には、有志主催の〈小川あきらを再選させる会〉なる会合に出席した。

「会には300人も支援者が来てくれて、熱気があって盛り上がりましたよ」

 そう語るのは、小川氏の支援団体「まえばし市民の会」事務局長の松村健助氏。

 会の中身はというと、

「小川さんは“迷惑をおかけしました”と謝罪していた。その後に参加者が“選挙に出てくれ!”“次の市長もやってくれ!”と口々に発言したわけです。“がんばれ”なんてかけ声も上がってましたよ。最後の方では小川さんも涙ぐんでいましたね」(同)

 彼女は“市政を諦めることはできない”“みなさんと一緒に前橋を作りたい”などと発言したという。

「いずれも“自分がどう見えるか”を気にする彼女のパフォーマンスでしょう」

 と、先の市政関係者は冷ややかである。

「辞職時に、彼女は事務所スタッフに向けて“再選挙になる”と連絡している。初めから出馬一択でしたが、批判を回避するため、支援者に促されて重い腰を上げた、という形を取ったに過ぎません」(同)

週刊新潮 2025年12月25日号掲載

ワイド特集「師走の事件簿」より

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