「あいつは昔、週刊誌沙汰になったことがある」 鈴木農水相の父親の「知られざる過去」 後援会幹部が明かす
946億円の負債を抱えて……
週刊誌沙汰とは穏やかではない。鈴木氏は父親について、過去に、
〈私の両親はともに商売人で、山形から東京に出ていろいろ事業をやっていて、その時は高度経済成長やバブル経済もあって比較的うまくいったんですね〉
と、ネットメディアに話している程度で、詳しい素性を明かしてはいない。
調べてみると、確かに鈴木氏の父親はかつて新聞や週刊誌をにぎわせたいわく付きの会社に役員や社長として名を連ねていた。役員を務めていたのが「磐梯リゾート開発」。同社の筆頭株主である「テクノ・グリーン」や二つの関連ゴルフ場の社長にも就いていた。
「磐梯リゾートは宮崎の『シーガイア』と共に、リゾート法の第1号として地方自治体と民間企業の共同出資で設立された第三セクターです」
とは、さる経済ジャーナリスト。
「旧大蔵省OBらの後押しを得て、総事業費約1000億円を投じて、開発したのが総合リゾート施設の『アルツ磐梯』でした。しかし、バブル崩壊後、開発が滞った。最終的に02年、総額946億円に上る巨額の負債を抱えて、民事再生法の適用を申請。現在は星野リゾートが事業を継承しています」(同)
JA福島信連を相手取り、訴訟を
新聞・週刊誌は1990年代後半、磐梯リゾートが巨額の負債を抱えるようになったのは、一部の旧大蔵省OBが開発事業を私物化したからだと何度も報じている。
「新聞は98年に、旧大蔵省OBのA氏がテクノ社傘下のゴルフ場における預託金250億円の流用疑惑に関与していると大きく伝えています。また雑誌は、そのA氏がゴルフ場に対して、旧知の銀座の女性画商から約1億円相当の絵画を購入させた挙げ句、画商と金銭トラブルになっているとも報じました」(前出のジャーナリスト)
テクノ社やゴルフ場の社長を務めていた鈴木氏の父親が、こうした乱脈経営の責任を負う立場にあったことは間違いあるまい。
さらに、注目すべきは福島県信用農業協同組合連合会(JA福島信連)との間で生じた金銭トラブルが裁判に発展したこともあったという点だ。テクノ社は自社のゴルフ場開発中止の理由はJA福島信連の融資が止まったことにあるとして、信連を相手取り損害賠償を求めて裁判を起こしていた。
こうした経緯については「親族である鈴木氏が公平・公正な立場から農水相の職務を遂行できるのか、疑念を持たれかねない」(同)との指摘もある。
後編では、地元の関係者が明かす鈴木氏の素顔、そして「おこめ券」への不満の声などについて詳報する。
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