まるで「ハッカー」…スマホ制限の突破で子どもが積む「悪い成功体験」 モラル崩壊の危険も
ルール設定に納得を
では、親はどう対処すればいいのでしょうか。重要なのは、制限という「力」で一方的に押さえつけるのではなく、子ども自身に「自分にはある程度の自己管理が必要かもしれない」と、ルールを設定することに納得させることが大切です。
そのためには、なぜ制限が必要なのか、スマホの過度な使用が、自分の大切な時間や将来の目標にどのような影響を与えるのかを、根気強く対話を通じて考えさせることが不可欠です。親が答えを教えるのではなく、子ども自らがその関係性に気づき、答えを導き出せるようにサポートするのです。
もちろん、子どもが自らの意思で利用を完全にコントロールできるようになるまでには、相応の時間が必要です。途中で、つい誘惑に負けそうになることもあるでしょう。これを避けるためには、話し合いだけでなく、物理的にスマホから距離を置くことが効果的です。
例えば、スマホの画面をモノクロ表示(グレースケール)にする機能の活用です。スマホが私たちを強く惹きつける一因は、カラフルで刺激的な画面が、脳を絶えず刺激するからです。この色彩をモノクロに切り替えるだけで、画面の「面白そう」という感覚が薄れ、無目的な利用意欲を減退させることができます。
また、あらゆるアプリからの通知を遮断することも有効な手段です。プッシュ通知は、集中力を奪う最大の要因の一つ。「集中モード」などを活用し、勉強や睡眠の時間帯は一切の通知が届かないように設定することで、目の前の課題に集中できる環境を整えることができます。
特に時間を浪費しがちなX(旧Twitter)やTikTok、YouTubeといったアプリは、一時的にアンインストールしてしまうのも一つの手です。IDとパスワードさえ記録しておけば、いつでも再インストールは可能なため、「少しの間だけ距離を置く」という選択肢も有効です。
受験期など、特に集中したい期間には、スマホにペアレンタルコントロール機能でロックをかけ、解除パスワードを塾の先生や信頼できる友人に設定してもらうという方法もあります。友人や先生の前では「パスワードを解除してほしい」とは言い出しにくい、という心理的なハードルを利用したものです。
***
第4回【「親には相談しない方がいい」 AIの助言が「最悪の結末」に…SNSが招く「自己肯定感」の低下】では、AIやSNSとの向き合い方などについて語っている。
[2/2ページ]

