「今後の“巨人復帰”は考えづらい」 「桑田真澄氏」電撃退団→オイシックス入りで将来の「監督招聘」を狙うNPB他球団は?

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楽天とセ・リーグ球団

 桑田氏は、来季で3年契約が切れる阿部監督の後任有力候補ともささやかれていた。巨人で指導者として約5年間携わり、内部事情に精通している。監督に就任しなくても、その手腕を生かす道はあった。スポーツ紙デスクは、「ポスト阿部は、松井秀喜さんの監督待望論が強いですが、もし実現したら桑田さんは1軍投手コーチになる可能性が考えられた。山口寿一オーナーも桑田さんの指導能力を評価していましたしね。でもこんな形でチームを退団したら、もう一度巨人に復帰することは考えづらいでしょう」と指摘する。

 巨人色が強かった桑田氏がオイシックスのCBOに就任したことは大きな意味を持つ。チームは武田勝監督兼投手コーチが指揮をとり、巨人時代に後輩だった野間口貴彦チームディレクター兼ヘッドコーチのほか、NPBで実績がある陽岱鋼、高山俊、薮田和樹が在籍。NPBの球団でプレーを目指す若手たちが切磋琢磨する。桑田氏が知識や経験を還元することで、チーム力を引き上げる大きなプラスアルファになるだろう。かつて、巨人の大スターだった王貞治氏(現ソフトバンク球団会長)がダイエーの監督に就任し、常勝軍団の礎を築いている。少し先の話になるが、桑田氏もNPBの他球団で指導者となり「打倒・巨人」に燃やす日は来るか。

「可能性は十分にあるでしょう。注目されるのは楽天です。球団の歴史が浅い球団なので野村克也さん、星野仙一さんなど名将が監督を務め、現役時代に楽天でプレー経験がなかった石井一久GMを招聘している。4年連続4位と低迷期から抜け出せず、石井GMと三木肇監督の体制が背水の陣を迎えている中で、来季も結果を残せなければ桑田さんがGM、監督で有力候補になるのでは。PL学園の後輩の前田健太が新たに加入しましたしね。楽天に限らず、1軍の監督に就任した時にどのようなチーム作りを敢行するか興味深いです」

 同じセ・リーグのさる球団も、かねて桑田氏の指導手腕を高く評価していた。桑田氏の退団が急だったためにオファーは間に合わなかったが、依然として強く興味を持っていることは間違いない。

就任会見での言葉

 桑田氏はかつて、原辰徳監督(当時)の投手起用方針に反対し、1軍コーチからファーム総監督へと左遷された過去を持つ。巨人という大きな組織にいても、自分の信念を貫いた。印象深いのは、18日に行われたオイシックスのCBOの就任会見での言葉だ。指導スタイルを聞かれて以下のように答えている。

「サイエンス、バランス、リスペクト。『こうやれ』という指導をしませんし、(中略)サイエンスからすると、練習、練習、練習ではうまくならないんですよね。練習をして栄養を取って、睡眠をとる時に筋肉が再生して強くなり、練習した技術が脳や神経が覚えていくことが分かっている時代なので」

 桑田氏の新たな挑戦が新潟で始まる。

 関連記事「巨人・桑田コーチは『大勢』の連投をめぐり“クビ覚悟で”原監督に意見していた」では、3年前の桑田氏と原辰徳監督(当時)の衝突の詳細を記している。

デイリー新潮編集部

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