「今後の“巨人復帰”は考えづらい」 「桑田真澄氏」電撃退団→オイシックス入りで将来の「監督招聘」を狙うNPB他球団は?
桑田真澄氏(57)が、NPB2軍の公式戦に参加する「オイシックス新潟アルビレックスBC」のCBOに就任することが決まり、12月18日、記者会見が行われた。桑田氏と言えば、1985年のドラフト1位で巨人に入団し、先発3本柱の一角を占めるエースとして活躍。現役最後の年こそメジャーに挑戦したが、引退後も今季まで約5年間、巨人のコーチを務めた「ジャイアンツ一筋」の男。指導力には定評があり、将来の監督候補とも目されていた。今秋の電撃退団と、まさかのオイシックス入りで、古巣とは一度縁が切れる。かねてNPBの他球団からも桑田氏の手腕を高く評価する声は多く、将来は他球団で監督就任の可能性も生まれてきた。
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続投は確実視されていたが…
今季まで巨人2軍監督を務めた桑田が、昨年からイースタンリーグに参加するオイシックスのCBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)に就任する。桑田氏は監督、コーチ、チームスタッフに助言や指導のほか、選手育成のサポート体制の構築など幅広く活動するという。
桑田氏は21年に投手チーフコーチ補佐として、15年ぶりに巨人に復帰した。その後は投手チーフコーチ、ファーム総監督を経て昨年から2軍監督に。若手の育成に尽力し、今年は2年ぶりのイースタンリーグ優勝を飾った。来年も続投が確実視されたが、10月下旬に宮崎で開催されたフェニックス・リーグから帰京後に球団フロントとの話し合いで、「若手の育成ができていない」と評価されてフロント入りを打診されて固辞。今季限りで退団を決断した。
十分に結果は出している
この電撃退団は大きな波紋を呼んだ。巨人を取材するスポーツ紙記者が明かす。
「『巨人はイキのいい若手がいい』と球界内で評価が高かった。高卒1年目の石塚裕惺は順調に育ち、育成出身の笹原操希と三塚琉生は1軍でデビューを飾っています。山瀬慎之助も1軍で1試合出場のみでしたが、ファームでは打率3割をマークしました。投手陣を含め、桑田さんは2軍監督という立場で育成において十分に結果を出している。チームにも活気がありました。不可解なコーチ人事の裏側には、桑田さんと阿部慎之助監督とチーム強化の道筋が違うことがあります。球団フロントが監督に忖度して、桑田さんを現場から離したのが真相でしょう」
むしろ桑田さんの方が厳しい
阿部監督と桑田氏の違いとして挙げられるのが、練習へのアプローチだ。阿部監督は選手を猛練習で鍛え上げるスタンスに対し、桑田氏は選手の自主性を尊重する。中心選手の坂本勇人が今年のシーズン中にファームの選手たちの準備に割く時間が短いことに苦言を呈したと報じられたこともあった。
実際はどうなのだろうか。現役時代に阿部監督、桑田氏に指導を受けた巨人OBは全く違った見方を示す。
「阿部さんが練習をやらせる、桑田さんが練習をやらせないという認識は間違っている。むしろ、阿部さんより桑田さんの方が厳しいですよ。練習のための練習を嫌がるし、いかにパフォーマンスを上げるか練習の意味を重視する。僕も『自己満足で終わらせちゃだめだよ』と言われたことがあります。質を求めると、量も必然的に多くなる。一部のメディアが『巨人の2軍の選手はグラウンドを引き上げる時間が早い』と書いていましたが、練習やトレーニングをやるのはグラウンドだけではない。室内練習場やウエートトレーニングで追い込んでいる選手はたくさんいます。若手が順調に育ってきていた中で、桑田さんが巨人から去ってしまったのはもったいないです」
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