まさかの奇襲にファンが騒然! 2025年プロ野球「奇策に笑った人」「泣いた人」
2025年シーズンは、日本ハム・新庄剛志監督の“代名詞”にもなった2ランスクイズが5月13日のオリックス戦、8月5日の西武戦と相次いで成功し、昨年同様、“新庄マジックさく裂”と話題を呼んだ。奇策はそれなりに成算があっても、裏目に出るケースが多いのも事実。奇策に笑った人、泣いた人を振り返ってみたい。【久保田龍雄/ライター】
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日本シリーズに行く準備をします
まずは冒頭でも触れた新庄監督から紹介しよう。
シーズン2位の日本ハムは、クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージでオリックスに連勝し、2年連続のファイナルステージに進出するも、第1戦、第2戦とソフトバンクに連敗し、アドバンテージを含めて0勝3敗と後がなくなった。
だが、新庄監督は「4つ勝ったらね、またドラマ起こるんで、これもまた面白い」と崖っぷちからの大逆襲を誓うと、第3戦を6対0、第4戦を9対3と大差で連勝、10月19日の第5戦も、積極果敢な攻撃でソフトバンクを圧倒する。
最初の見せ場は、内野ゴロと犠飛で2点を先制した直後の4回2死一塁だった。万波中正がカウント0-2からの3球目という難しいシチュエーションでヒットエンドランの奇襲を成功させ、左前安打で一、三塁とチャンスを広げる。次打者・矢沢宏太もバットを折りながら右越えタイムリー二塁打で続き、貴重な3点目を挙げた。
さらに5回には清宮幸太郎の右越え二塁打で2点を追加し、なおも1死二、三塁のチャンスで、田宮裕涼が意表をつき、2球連続で2ランスクイズを試みる。1球目はファウルになったが、2球目を「気持ちで決めました」と投前に転がした。二塁走者・清宮は本塁タッチアウトになり、2ランにはならなかったものの、5点リードからなおも“お家芸”でダメを押す“新庄劇場”で、6対0と突き放した。
7対1の快勝で、CS史上初の0勝3敗からの3連勝を実現した日本ハムは、翌20日の最終決戦では1対2と惜敗、あと1歩で日本シリーズ進出を逃した。だが、新庄監督は「来年は断トツに優勝して、日本シリーズに行く準備をします」とキッパリ。監督就任5年目の総決算となる2026年シーズンでも、どんなマジックが飛び出すか注目される。
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