「自由席の削減」が進む鉄道業界…それでも一部の利用者が「自由席」にこだわる意外な理由 「割安な料金よりも、むしろ座席ガチャの問題です」
指定席化の一方でみどりの窓口の廃止が進む
鉄道会社もこうした事情は把握しているようで、自由席では隣の座席に荷物を置かないようにアナウンスすることが多くなった。自由席が混雑しているのに、隣を開けてもらえず座れなかったというクレームも寄せられていると聞く。自由席の廃止が進むのも、こうしたトラブルを回避したい鉄道会社の狙いがあるのだろう。
その一方で、乗客からは地方を走る鉄道では自由席を残すべき、という意見も根強いようだ。前出の鉄道会社社員はこう話す。
「指定席を利用するためには事前に予約をしていなければいけませんが、JR各社ではみどりの窓口の廃止が進んでいます。地方の路線では窓口の代替として指定席券売機を設置している例がありますが、機械の操作に慣れていない人が購入に戸惑い、乗り遅れてしまうことも少なくありません。自由席は来た列車に乗ってしまえば、車内で清算ができるのは大きなメリットでした。
もちろん、自由席があると思って指定席に乗った人や、指定席を買えないまま乗った人に対しても、鉄道会社は車内で柔軟な対応をしています。しかし、わずか1~2駅、10分程度の短距離乗車にわざわざ指定席を買い求めるのは面倒だ、という意見もいただきます。それはおっしゃる通りですし、利用者の減少につながらないか心配です」
アプリのダウンロードはハードルが高い
鉄道会社や列車によっても、繁忙期か閑散期かによっても異なるものの、自由席は指定席と比べて500~1000円前後安い。金銭的なメリットがあるうえ、隣に来る人をある程度選べるとなれば、ニーズが高まるのも理解できる。一方で、鉄道会社にとってはトラブルのもとになりやすいうえ、少しでも収入を確保したいという思惑から指定席化を進めたい背景もある。
近年、JR各社はスマホで指定席が予約できることを盛んにPRしている。30~40%といった大幅な割引が効くことをウリにして、自社のアプリに誘導しようとする傾向がある。しかし、鉄道に年に1回、2回しか乗らない人がわざわざアプリをダウンロードするのはハードルが高いだろう。
飛行機と比べて手軽に乗れるのが鉄道の強みだったはず。過度な指定席化の進行が鉄道の利便性を損ね、鉄道離れを招かないか不安である。







