「完売画家」中島健太氏があえて指摘する“日本美術界”の問題点…巡回展に中島氏の作品を展示しない理由について「日展」が回答

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中島氏の発言を受けて、日展の見解は

 今回の取材を経てデイリー新潮では、日展に対し、中島氏の作品を巡回展で展示しない理由について問い合わせた。日展からは12月8日、以下の回答があった。

<巡回展のすべての会場(今回は京都、名古屋、大阪、安曇野、金沢の5会場)を巡回する作品(以下「基本作品」と言います)は、東京の展覧会が始まる前日(今回は10月30日の内覧会時)の理事会において、出席理事により選考されております。

 中島健太会員が所属する洋画部門の基本作品については、昨年まで61点を選考しておりましたが、近年は巡回展を主催する各自治体や新聞社等、主催者側の開催経費の削減方針が顕著になり、輸送費用の節減要請とともに会場のスペースが縮小されることから、今回より、基本作品の定数を減らすこととし、洋画部門については44点を選考することになりました。

 例年、基本作品を選考するに当たっては、理事会において、作品本位で選考することは当然ですが、東京会場の全展示作品(今回は663点)のうち、以下の作品は原則含めることとしております。

 顧問、役員の作品 7点

 その年の審査員17名の作品 17点

 受賞作品(大臣賞、東京都知事賞、日展会員賞、特選) 13点

 以上合計 37点

 これも一つの基準と言えば基準に該当します。

 今回はこれらの作品に残り7点を加えて44点になるよう選考いたしました。残り7点に関する選考基準という明確なものはございませんが、理事全員が妥当と判断した作品を選んだということとなります。その結果、中島健太会員の作品は基本作品には含まれないこととなりました。

 なお、「展示されない作品」を選んでいるものではなく、展示する作品44点を選考した結果、展示されないこととなった、という表現のほうが適切かと思われますので申し添えます>

ライター・山内貴範

デイリー新潮編集部

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