日展の話題作「大沢たかおの肖像画」はなぜ巡回展で展示されない? 作者である「完売画家」中島健太氏は「一部の理事によって排除されたとしか思えない」
感謝の思いもある日展で波風を立てたくはないが
――おっしゃるとおりですね。日展の会場を見て回ると、様々な表現の作品が並んでいます。いかにも昔ながらの伝統に則した絵もあれば、独創的な作品も少なくありません。
中島:日展には、豊かな日本の芸術文化の土壌が凝縮されていると思います。だからこそ、もっとたくさんの人に足を運んでもらいたい。日展は保守的と言われますが、決してそんなことはありません。他の公募展のことはわからないのですが、例えば彫刻では“触れる”作品も多く、美術に親しめる面白い試みも行われているんですよ。
にもかかわらず、好きとか、嫌いといった個人的な感情で巡回展の作品を決めている人が上層部にいる。これによって被る損失は少なくないはずで、そのことに関して日展はもっと自覚的であるべきでしょう。僕としては、感謝の思いもある日展で波風を立てたくはないのですが……、本当にもったいないことをしていると思います。





