中丸雄一は「第二の東出昌大」になれるのか? 不倫騒動からの男性タレント再評価ルートとは
昨年8月、不倫疑惑を報じられた元KAT-TUNの中丸雄一。活動休止から復帰を果たした中丸だが、果たして今後彼はどのような方向に進むのか……。ライターの冨士海ネコ氏が分析する。
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「まじっすか」。元KAT-TUNの中丸雄一さんの不倫疑惑が昨年8月に報じられた時、思わずそんな言葉が出た。バラエティー番組でもグループとしての活動でも、主役というよりは場を整える「空気清浄機」的なキャラ。しかも1月には結婚を発表したばかり。撮られた女子大生と共に肉体関係は否定したが、好青年としてのタレントイメージとの落差に、怒りというより困惑を覚えたファンは多かったに違いない。
そして活動休止から1年、舞い戻ってきた中丸さんに「まじっすか」と再びい言いたくなっている。沈黙の時間を経て、レギュラーとして復帰した場所は、一筋縄ではいかないコメンテーターたちが集う「5時に夢中!」(TOKYO MX)。しかも、そこで飛び出したのは「ババア」など、これまでのキャラクター設定からすれば真逆ともいえる踏み込み過ぎた発言である。視聴者は不倫という過去よりも、「中丸くんが中丸くんでなくなって戻ってきた」ことへの戸惑いの方が大きいのではないだろうか。
この光景に、俳優・東出昌大さんの復活劇を重ねた人は少なくないだろう。爽やか俳優の代表格としてCM・ドラマに重宝されていた東出さんが、不倫スキャンダルひとつで一気に転落し、その後は山ごもりの猟師生活からYouTube、ぶっちゃけトークへと奇妙なV字回復を遂げた姿は、もはや一種の「男性タレント再生モデル」ですらある。そして今、中丸さんが「東出さんルートに乗れるのか?」という瀬戸際に立っているのだ。
「自然に憧れる」と漏らした中丸 共通点は意外に多い「転落と没頭型の男たち」
中丸さんと東出さんの共通点を整理すると、驚くほど多い。まず、スキャンダル前のスタンスだ。どちらも「誠実」「おっとり」という言葉でパッケージ化された好青年枠であり、女性スキャンダルとは最も距離のある存在に見えていた。だからこそ、一度の不倫で受けたダメージが致命傷に近いものになった。
次に、選んだ女性の属性である。どちらも芸能人の妻を持ち、スキャンダルの相手は妻より年下かつ知名度のない女性。この構図は世間から見れば、「身近な誘惑に負けた男」という非常に生々しい裏切りとして映る。スターともいえる人気芸能人でありながら、「どこにでもいそうな男の過ち」に見えてしまった点が、世間をがっかりさせ、炎上の質を重くしたのではないだろうか。
そして最大の共通点が、二人とも極端なまでに「個の世界」に没頭できるタイプだという点だ。中丸さんは、ボイスパーカッションに漫画制作、YouTubeなど、一人で完結する努力を積み上げてきた男である。一方の東出さんは、俳優業という都会的な仕事とは真逆の自然世界に入り込み、猟師として獣と向き合う生活を選んだ。
この「一人で生き切れる能力」は、スキャンダル後の人生において決定的な武器になる。世間からのバッシングにも強い。誰かに慰められなくても、自分の世界で呼吸ができるからだ。東出さんはそれを証明した。中丸さんもまた、同じ資質を持っているといえるだろう。
「5時に夢中!」の「ババア発言」よりも前に出演した「相席食堂」(ABCテレビ)では、相席したさつまいも農家の男性に対し「年々、自然への憧れみたいなのが出てくる」と漏らしていた中丸さん。さつまいも畑に埋められた姿をスタジオMCの千鳥にイジられていたが、ちょっと年上の男性たちからもかわいがられる「抜け」っぷりもまた、東出さんに通じるものを感じたものである。
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