中丸雄一は「第二の東出昌大」になれるのか? 不倫騒動からの男性タレント再評価ルートとは
復帰の成否を分けるキャラの再設定 中丸の「毒舌化」はまだ様子見?
好青年→不倫→失墜→ストイックな趣味→ぶっちゃけ路線での再浮上。「ババア発言」をした中丸さんの今のスタンスは、東出さんが「もう爽やか俳優として扱わないでくれ」とばかりに、弱さやだらしなさも包み隠さず語り始めた時期とよく似ている。過去のイメージを守るより、壊れた自分をそのままさらす方が、結果として信頼を取り戻すことができる。東出さんが体現したのは、そんな逆説的な再生モデルだった。中丸さんもまた、「嫌われてもいい」ゾーンに一歩足を踏み入れたのだとすれば、戦略としては決して悪くない。
もっとも、この路線は諸刃の剣でもある。アンジャッシュ・渡部建さんのように、復帰後も「頭の良さ」が裏目に出てしまい、どこか作為的に見えると再評価が上向かないこともある。逆に東出さんは、計算を感じさせない不器用さと、山の中という極端過ぎる生活が「本気度の高さ」として受け取られたのではないか。その一点において、中丸さんの「毒舌」は、まだ様子見の段階にあるといえる。
不倫で活動休止した男性タレントの復帰は、これまでにも数え切れないほどあった。「5時に夢中!」出演の先輩である原田龍二さんのように、「お騒がせ男」として自虐キャラでいくケースが多いが、狩野英孝さんのように、スキャンダルすら芸に昇華して生き残ったケースもある。重要なのは、「キャラの再設定」がかみ合っているかどうかだ。
中丸さんは謝罪会見を行わず、静かにテレビに戻ってきた。またスキャンダル直前には、遅刻癖や悪びれなさを共演者に暴露されたこともある。お茶の間にもう一度愛されるタレントとして再浮上できるか、瀬戸際にいるのは確かだろう。
かつての「真面目で安心な中丸」に戻ることは、もはやできないし、誰も求めていない。では「毒舌タレント」として生きるのか、「職人型オタク」として再始動するのか。それとも、東出さんのように「きらびやかな都会から降りた男」という新カテゴリーに移るのか。「失敗した大人の男」としてどこに着地するのかを、いま改めて問われている状態にある。
東出さんは「爽やか系俳優」「理想の夫」という肩書を降ろしながら再評価され、今や男性ファンも多い。中丸さんが「第二の東出」となれるかどうかは、東出さん同様にこの先数年の「嫌われるリスク」を取れるか、「ギリギリで生きて」いるリアルな顔を見せ続けられるかに懸かっているのではないだろうか。
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