都内マンション価格急騰でも「焦って買わなくていい」 10~20年後に「隠れ空き家」が爆増するエリア

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23区の「空き家予備軍」65万世帯の衝撃

 だが本当の脅威は、すでに空いている家ではない。これから市場に放出される「空き家予備軍」の存在だ。

 2023年調査によると、23区の65歳以上世帯は約156万世帯。そのうち持ち家世帯は106万世帯にのぼる。特に注目すべきは、「単身世帯(38万世帯)」と「夫婦のみ世帯(27万世帯)」だ。合わせて65万世帯が、将来的に空き家化するリスクを抱えていることだ(次図のピンク破線囲み部分)。

 エリア別に見ると、次図の通り世田谷区、大田区、練馬区、足立区、板橋区、杉並区、江戸川区の7区で高齢者世帯数が4万世帯を超えている。また、港区でも2万世帯近い高齢世帯が存在し、富裕層エリアでも「相続・承継問題」は他人事ではないことが分かる。

 夫婦世帯であっても、いずれはどちらかが先に亡くなり、単身世帯となる。身寄りのない、あるいは子供が遠方に住む高齢単身世帯では、相続のタイミングで「空き家」へと変わるパターンも多い。

 この巨大な「予備軍」が、今後10年、20年にかけて不動産市場に雪崩を打って押し寄せてくるのだ。

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