巨人「阿部監督」が蒸し返される“昭和のスポ根”批判…現役時代には「沢村ポカリ事件」に「後輩に丸刈り指示」も

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NHKは「阿部監督は変わった」と報道

 1軍コーチだった2023年のシーズンでは、秋広優人(現ソフトバンク)に対する“口撃”が「パワハラではないか」と疑問視された。

 まずオープン戦の対阪神戦で秋広が初球を打って凡退すると、「初球ポンポーンと打ち上げて。ちょっと野球知らないんじゃないか」と厳しく断罪した。

 翌日の対広島戦では秋広の守備位置を批判し、「今日もね、プロ野球を知らない選手がいたんで」と嫌味を披露。さらに対ヤクルト戦で三振に倒れると「今日は天気も悪かったし、何か変なお告げがきていたんでしょうね」と秋広を揶揄した。

 2024年に新人監督としてセ・リーグを制すると、NHKは9月28日に「巨人4年ぶりリーグ優勝 阿部監督の指導 厳しさ全面に出したスタイルから柔軟に変化」との記事を配信した。

 NHKにしては珍しく「『パワハラ指導だ』、『時代に合わない』と外部から批判を受けることもありました」と踏み込んで伝えた上で、監督として指導方法を改め、《勝負への厳しさを忘れず、それでいて萎縮させることのないよう雰囲気作りを進めながら選手たちの背中を押して指揮を執った》とまとめた。

現代のリーダーシップは“モチベーター”

 最新の人事マネジメントや社員研修について取材した経験を持つ編集者は「阿部監督が結果を出していないことも大きいのではないでしょうか」と指摘する。

「最近のセ・リーグは中日、広島、ヤクルトが低迷しているので、3位でAリーグと言われても納得できない巨人ファンがいると考えられます。さらに阪神の独走を許してしまいました。たとえ日本シリーズに進出できなかったとしても、阪神に数ゲーム差で2位につけ、クライマックスシリーズで激戦を繰り広げていたら、これほど批判されなかったと思います。その上で、今のリーダーに求められる資質は“モチベーター”ということも大きいでしょう。部下の士気や意欲を向上させるという意味で、今の巨人はむしろ若手選手が萎縮している印象があります。つまり、むしろモチベーションは下がっているわけです。選手に厳しいのはともかく、『時代に合っていない監督』と違和感を抱かれるのは得策ではないでしょう」

 第1回【“セ・リーグ制覇”の翌年は“Aクラス入り”の好成績も…巨人ファンはなぜ「阿部慎之助監督」に厳しいのか】では、若手監督として上々の結果を残してきた阿部監督に、巨人ファンが厳しい視線を向けているという意外な現状について報じている──。

註1:巨人「オコエ瑠偉」練習方針をめぐり阿部監督と確執か 秋季キャンプから姿を消しファンイベントも欠席で“行方不明(デイリー新潮:11月28日)

デイリー新潮編集部

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