“セ・リーグ制覇”の翌年は“Aクラス入り”の好成績も…巨人ファンはなぜ「阿部慎之助監督」に厳しいのか

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 もしかすると、阿部慎之助監督の辞任を望んでいる巨人ファンは少なくないのではないか──SNSの最新状況をチェックしながら、そんなことを感じたプロ野球ファンもいるはずだ。阿部監督は2023年10月に監督就任が発表され、翌24年のシーズンは新人監督ながらチームをセ・リーグ優勝に導いた。2リーグ制以降、就任1年目でリーグ優勝に輝いた巨人の監督は川上哲治、藤田元司、原辰徳の3氏しかいない。(全2回の第1回)

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 今シーズンの阿部監督はリーグ優勝こそ逃したが、3位とAクラス入りを果たした。川上、藤田、原の3氏は名将と高く評価されている。少し早いが、阿部監督も名将の候補に挙げられて不思議はないはずだ。では巨人ファンの評価はどうだろうか。担当記者が言う。

「衝撃的な“事件”が起きたのは11月23日のことです。この日、巨人は『ジャイアンツ・ファンフェスタ2025』を開催しました。終盤に阿部監督はマイクの前に立ち、ファンに向かってリーグ3位の成績を謝罪したのです。そして来シーズンはリベンジを果たすと決意を表明したのですが、いきなりファンが『まずお前が辞めろ』とヤジを飛ばしました。すると阿部監督は数秒間、言葉を失うという前代未聞の展開になったのです。当然ながらSNSでは議論が沸騰しました。投稿の大半はファンイベントで飛び出したヤジを批判する内容でしたが、話題が阿部監督の続投となると辞任や退任を求める意見が多かったのです」

 論より証拠、Xを見てみよう。《三軍監督,二軍監督,一軍ヘッドコーチ辞任しているのに、何故阿部慎之助は辞めないのか》、《阿部やめてほしいわ この監督では若手育たない》、《余りにも感情丸出しの姿は指揮官として疑問符》、《阿部監督は選手を能力ではなく好みで使う感じがする》──。

“時代錯誤的な根性論”

 さらにXを丁寧に見ていくと、巨人ファンが阿部監督に“NO”を突きつけている理由として、「昭和」と「パワハラ」の2語がキーワードだと分かる。

《昭和の指導者という感じが強い。パワハラ疑惑もかなりある》、《昭和式スポ根引きずる監督なんて論外》、《阿部が昭和のスパルタ指導なりキャンプしてるからいかん》、《昭和のパワハラ上司にしか見えない》、《阿部みたいな昭和的な監督はもういらんだろ》、《2軍監督の時からパワハラ気質と言われてきた》──。

 阿部監督の就任が発表された2023年、週刊新潮は10月19日号に「巨人新監督『阿部慎之助』“昭和スポ根臭”に心配の声」との記事を掲載した。

「記事ではスポーツ新聞のデスクが取材に応じました。そもそも阿部さんは2軍監督時代から“時代錯誤的な根性論”が顔を覗かせることがあり、フロントも阿部2軍監督のパワハラ気質を懸念していたそうです。阿部さんは2021年のシーズンオフから1軍のコーチを務めましたが、これは当時監督だった原辰徳さんの元で指導法を学び直し、昭和のスポ根的な指導を改めてほしいという意味があったと解説しました」(同・記者)

 では今シーズン、阿部監督は“パワハラ気質”を封印してチームの指揮を執ったのかと言えば、少なくとも巨人ファンの受け止めは違ったようだ。

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