令和の“珍プレー王”か!? 巨人・キャベッジ、「ヘディング事件」など驚くべきプレーを次々連発!

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 2025年から加入した巨人の新外国人、トレイ・キャベッジは、好不調の波があったものの、打率.267、17本塁打、51打点の成績を残して、チームトップの本塁打数と打点を記録した。その一方で、思わず「まさか!」と目を疑いたくなるような珍プレーや珍パフォーマンスでも不思議な存在感を示して大きな話題になった。【久保田龍雄/ライター】

清原も「初めて見ました」

 かつての中日・宇野勝の“ヘディング事件”に匹敵するようなビックリ仰天の珍プレーの主人公になったのが、5月9日のヤクルト戦だ。

 2番ライトで出場したキャベッジは、2対1の5回に先頭打者としてバットを折りながらも右前安打で出塁、次打者・若林楽人の4球目にヒットエンドランの形でスタートを切ると、二塁ベース目がけて果敢にヘッドスライディングを試みた。

 ところが、二塁ベース右に転がった若林の打球が、よりによって、二塁ベースに滑り込もうとしていたキャベッジのヘルメットの前部に当たってしまう。

 ヘディングされる形になったボールは、そのまま中前に抜けたが、当然キャベッジは守備妨害でアウトである(若林には二塁内野安打が記録され、1死一塁で試合再開)。二塁ベース上で起き上がったキャベッジは、しばし自分がアウトになったことに気づかない様子だった。

 走塁中、打球が足に当たってアウトになるケースはそれほど珍しくないが、ヘッドスライディングをして打球に当たった選手は、聞いたことがない。

 ネット上でも「ナイスゴール」「何してんだ 避けろよ」「ヘッスラしなきゃ抜けてたやろ」など、あまりの間の悪さを呆れる声が相次いだ。

 この日、CS「フジテレビONE」で解説を務めた清原和博氏も「僕も長いこと野球やってますけど、初めて見ました」と驚くばかりだった。

終わってみれば2発4打点

 一方、二塁を欲張ったことが仇となったのが、7月1日の阪神戦だ。

 1対1の7回無死、代打で出場したキャベッジは、カウント1-1から桐敷拓馬の内角高めツーシームに詰まりながらも右前打を放った。

 無死一塁。巨人は絶好の勝ち越し機をつくったかに見えたが、直後、キャベッジは、ライト・森下翔太の動きを見ながら、自慢の俊足を飛ばして一気に二塁を狙う。

 だが、強肩の森下は打球を素手で掴むと、矢のような送球を二塁に送り、キャベッジはあえなくタッチアウトに。スコアを考えると、一塁で自重すべきだった。

 暴走による自滅で流れを失った巨人は1対2で敗れ、連勝も「3」でストップした。試合後、阿部慎之助監督から「野球知りませんとは紙一重。アグレッシブで済ませてほしくない」と苦言を呈されたキャベッジは「行けるかなと思ったけど、もうちょっと考えるべきだったと思います」とションボリしていた。

 にもかかわらず、懲りない助っ人は、8月5日の広島戦でも、あり得ないような走塁ミスを犯す。

 0対1の2回、先頭のキャベッジは左翼線に二塁打を放ち、岸田行倫の四球で無死一、二塁となった直後、坂本勇人の平凡な左飛で飛び出してしまう。内山壮真が捕球するのを見て、慌てて帰塁を試みるも、間に合わず併殺に取られてしまった。

 結局、この回は無得点に終わり、ベンチの阿部監督もムッとした表情だったが、このボーンヘッドが“災い転じて福となす”の結果をもたらす。「走塁ミスでチームに迷惑をかけた」と汚名返上を誓った助っ人は、自らのバットでミスを取り返したのだ。

 0対2の4回、ランバートの初球、内角高め145キロを右翼席に叩き込んで1点差に追い上げると、2対2の8回2死一、二塁、今度は荘司宏太から左中間席に飛び込む値千金となる決勝3ラン。終わってみれば、2発4打点の大活躍でチームを勝利に導いた。

 試合後、お立ち台に上がったキャベッジは「何とかミスを取り返そうという気持ちでいました。チャンスでしっかり結果を残すことができたのでうれしいです」と殊勝なコメントを口にした。

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