「現役ドラフト」で12人が移籍 球団関係者が明かす…ブレイクが期待される“3選手の実名”
現役ドラフトをきっかけに
続いて投手を見ていこう。今年の現役ドラフトでは、過去最少の4人にとどまった。このなかで移籍先で一気に才能を開花させる期待があるのは、菊地大稀(日本ハム→巨人)だ。
2021年の育成ドラフト6位で入団した菊地は、1年目から支配下に昇格した。2年目は、中継ぎで50試合に登板。4勝4敗1セーブ11ホールド、防御率3.40というまずまずの成績を残した。しかし、過去2年間は二軍暮らしが長く、昨年は一軍戦で未登板。今年は7試合に登板し、1勝1敗、防御率1.80だった。
前出の編成担当者は菊地についてこう話す。
「ストレートは150キロを超えることが珍しくないし、ボールの威力はかなり強いですね。フォークで空振りを奪えるので、奪三振も多いです。フィールディングや牽制には課題を残しますが、力で勝負できるタイプですので、パ・リーグ向きの投手だと思います。日本ハムは、粗削りな選手を伸ばすことが上手ですから、菊地が中継ぎで一軍の戦力になる可能性はありますよ」
菊地にとって良い例がある。桐蔭横浜大の先輩である日本ハムの斎藤友貴哉だ。
2022年のオフに阪神からトレードで移籍した斎藤は、球速160キロを超えるまでスピードアップを果たし、リリーフとして頭角を現す。今年は、47試合に登板し、1勝2敗3セーブ14ホールド、防御率1.35という好成績を残している。菊地も粗削りだった斎藤と重なる部分が多い。日本ハムの首脳陣に指導を受けて長所を伸ばしていけば、勝ちパターンのセットアッパーへと成長する可能性がありそうだ。
今回の記事では、3選手を取り上げた。このほか、今年のイースタン・リーグで盗塁王となった辰見鴻之介(楽天→広島)や、将来性が高い大型左腕の松浦慶斗(日本ハム→巨人)ら注目選手がいる。プロ野球界の移籍を活性化するためにも、多くの選手が現役ドラフトをきっかけに大きく成績を伸ばしてくれることを願いたい。
【現役ドラフト移籍選手一覧】
※カッコ内は前所属球団
阪神・浜田太貴(ヤクルト、外野手)
DeNA・濱将乃介(中日、外野手)
巨人・松浦慶斗(日本ハム、投手)
中日・知野直人(DeNA、内野手)
ヤクルト・大道温貴(広島、投手)
広島・辰見鴻之介(楽天、内野手)
ソフトバンク・中村稔弥(ロッテ、投手)
日本ハム・菊地大稀(巨人、投手)
オリックス・平沼翔太(西武、外野手)
楽天・佐藤直樹(ソフトバンク、外野手)
西武・茶野篤政(オリックス、外野手)
ロッテ・井上広大(阪神、外野手)





