「有原航平」争奪戦は「日本ハム」が有力候補に浮上 「有原式FA」の過去、「栗山英樹CBO」の影響は?

スポーツ 野球

  • ブックマーク

 今オフ移籍市場最大の目玉と言われるのが、ソフトバンクの有原航平投手(33)である。MLBから復帰後、昨季、今季と2年連続最多勝をマーク。メジャー移籍前も含めれば3度の最多勝獲得経験を誇る、実力派右腕だ。既に争奪戦が展開されているが、そこで最有力と言われているのは古巣の日本ハムなのだという。両者の間には、かつて移籍の際に因縁があったはずだが――。

 ***

メジャー復帰は厳しい

 有原はソフトバンクと3年契約が切れて自由契約となった。在籍した3年間で計38勝、今季も14勝9敗、防御率3.03をマーク。チームのリーグ連覇と日本一に大きく貢献した。球団フロントは来年も右のエースとして必要な戦力と計算しているが、本人がメジャー挑戦を強く希望。ソフトバンクが引き続き慰留しているほか、巨人や日本ハムなど国内他球団も獲得に向けて調査をしていることが報じられた。

 しかし、メジャー復帰の道のりは険しい。有原は日本ハム時代を含めて通算98勝をマークしたが、メジャーで所属したレンジャーズでは在籍2年間で通算15試合に登板して3勝7敗、防御率7.57。度重なる故障も影響し、不完全燃焼に終わった。日本球界に復帰してソフトバンクで復活を印象付けたが、米国で取材するスポーツ紙記者は「メジャー球団が好条件を提示するかは微妙です」と渋い表情を浮かべる。

「良い投手であることは間違いありません。多彩な変化球を投げ分ける投球スタイルは日本で通用しますが、メジャーにハマる投手であるかというと疑問符が付きます。直球の平均球速が147キロ前後で奪三振能力が高いわけではない。小笠原慎之介(ナショナルズ)が昨オフに中日からポスティングシステムを利用し、メジャー契約を勝ち取りましたが、当時27歳という年齢がプラスに働いた。有原は33歳と決して若くないので、単年か2年契約の可能性が高い。先発の層が薄い球団は獲得を検討することが考えられますが、メジャーの舞台でチャンスの数が多いとは言えないでしょう。1年でも多く現役でプレーすることを視野に入れるならNPBでプレーを続ける選択肢が出てきます」

巨人と日本ハム

 そのNPB球団の中でも、獲得に向けて熱心と言われているのが巨人だ。阪神に独走を許し、リーグ連覇を逃した今季は2ケタ勝利、規定投球回数をクリアした投手が山崎伊織のみ。戸郷翔征が不調、井上温大は伸び悩むなど誤算が相次ぎ、先発陣のコマ不足に最後まで悩まされた。エース級の投手は獲得の優先度が高い。有原の獲得に動くのは必然と言える。

 一方、意外に感じるのが日本ハムだ。先発陣は有原と共に最多勝に輝いた伊藤大海を筆頭に、北山亘基、達孝太、加藤貴之、金村尚真、山崎福也、福島蓮と質の高い投手たちがそろっている。補強が必要ではないように感じるが、日本ハムを取材するテレビ関係者の見方は違う。

「達、福島は相手にまだ覚えられていないので抑えられた部分がある。エースになってほしい素材ですが、来年も先発で計算できる投手の域には達していない。有原はきっちり試合を作りますし、長いイニングを投げられる。獲得が実現すれば、伊藤と共に軸になれる投手です」

次ページ:ファンからは揶揄する声も

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。