「有原航平」争奪戦は「日本ハム」が有力候補に浮上 「有原式FA」の過去、「栗山英樹CBO」の影響は?

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ファンからは揶揄する声も

 しかし、有原と言えば、2020年、日本ハムからポスティングでレンジャーズに移籍。2年後の帰国時には、古巣ではなくライバルのソフトバンクへ入団した。現行のルールでは、NPBで国内FA権を獲得していない選手でも、ポスティングでMLBに移籍し、その後日本球界に復帰する場合はFA扱いとなり、意中の球団を選択できる。有原の選択はルール上、何の問題もないが、古巣の日本ハムのデメリットが大きかったため、ファンを中心に「有原式FA」などと揶揄する声が上がった。その2年後には、後輩の上沢直之も日本ハム→MLB→ソフトバンクと同じ道での移籍を辿った。この際も「上沢式FA」と言われ、新庄監督が「育て方を間違った」とコメント、SNSのフォローを外すほど現行の制度への疑問を露わにした。ゆえに、今回の有原争奪戦についてもこの“過去”について言及する向きがあるが、日本ハムを取材するライターはこう語る。

「有原はソフトバンクに移籍後も日本ハムの選手やフロントと交流がありますし、日本ハムの思い出話をうれしそうに語る。メジャーに挑戦させてもらったことに感謝の思いを口にしていますし、今も特別な球団です。マイペースな性格で『助っ人外国人』と揶揄されることもありますが、ああ見えて義理人情に厚い男です。メジャー挑戦が基本線だと思いますが、条件面などで断念することになれば日本ハム移籍が最有力では。マネーゲームではソフトバンクや巨人が有利ですが、そもそも現状に安住する道ではなく、新たな刺激を求めてのMLB再挑戦ですし、巨人やセ・リーグにはもともと縁がありません。また、今のジャイアンツの雰囲気が悪いのは選手の間でも知れ渡っていますし…」

西川遥輝に続いて…

 日本ハムは今オフ、ヤクルトから戦力外通告を受けた西川遥輝外野手の入団を発表した。西川は5年前、日ハムをノンテンダーとなった過去がある。さらに有原も獲得となれば、両者の在籍当時に監督を務めていた栗山英樹CBOの色が強くなる補強戦略に映る。日本ハムは新庄剛志監督の下で順調に若返りを進め、今季はソフトバンクと首位争いを繰り広げて2年連続2位と健闘した。有原の獲得調査が複数のスポーツ紙で報じられると、ファンから「チーム作りに逆行している」と否定的な声が出ていたが、前出のライターは、

「新庄監督は若手だから重宝するのではなく、年齢に関係なく選手たちにチャンスを与えて競わせてきた。リーグ連覇を許したソフトバンクとの差を考えた時、ベテランの経験値は非常に重要です。有原を獲得できれば、ソフトバンクの戦力を削ぐことにもつながる」

 とメリットを強調する。

 前述したように、日本で実績十分の投手がメジャーでも評価が高いとは限らない。九里亜蓮(オリックス)は昨オフに広島から海外FA権を行使し、メジャー挑戦を視野に入れたが市場の動きが鈍く、先行きが不透明だったため国内他球団に移籍を決断。今年はチームトップの11勝をマークした。有原もメジャー挑戦を目指すなら、年明けまで去就が決まらない可能性がある。来年はどのチームのユニフォームを身にまとっているか。今オフの補強戦線で「最大の目玉」の動向が注視される。

 関連記事「『有原航平』に日ハムファンから批判噴出…日本球界復帰で『沢村拓一』と明暗を分けた理由」では、有原のNPB復帰時の経緯と、ファンから批判を浴びた理由について詳述している。

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