母グマを駆除された「子グマ」が「冬眠できない」“衝撃”の理由 「街中を徘徊する幼獣」に襲われないためには
「穴の代わりに、空き家などで冬眠する可能性も」
クマの生態に詳しい石川県立大学の大井徹特任教授が言うには、
「捕獲数が急上昇している裏側で、母グマが駆除されて子どもだけが残されたケースも相当数あると考えるのが妥当です。一般的に子グマは冬眠期間中の1月ごろに生まれ、その後、1年半ほど母グマと行動を共にします。その間に大木の一部が腐り空洞化した場所や、根返り(樹木が根っこから転倒した状態)の際にできた穴など、冬眠に適した空間を探すすべを学びます。しかし穴探しの経験や学習機会を奪われると、独り立ちしてもどこで冬眠すればいいのか分からなくなる。今年に入って、そんな子グマが増えている現実は否定できません」
加えて、
「今後も、冬眠するすべを知らない反面、エサのある場所を知った子グマなどが人間の生活領域のすぐそばを徘徊する可能性は高いでしょう。さらに注意を要するのは、エサにありつけなくなった幼獣が穴の代わりに、空き家や納屋、車庫といった人が普段あまり出入りしない場所に潜り込んで冬眠するケースです。そういった不測の事態にも、今年の冬は備える必要が出てくるかもしれません」(同)
12月11日発売の「週刊新潮」では、冬眠しない子グマが急増している背景について、より詳しく報じる。
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