第一印象は「あまり関わらないようにしようと…」 出会いから6年、再会した二人が夫婦になった理由

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 人生いろいろ、家族もいろいろ、幸福の形もいろいろ。近年、「結婚がゴールではない」という声も大きくなりつつあるとはいえ、ゴールインした二人には幸せになってほしいと思うのが人情というものだろう。

 そして、そのゴールに到達するまでには、十人十色のドラマがあるのは言うまでもない。目下、幸せに包まれているカップルにエールを送りつつ、出会いから現在までを根掘り葉掘り聞いてみる「令和の結婚事情レポート」。

 今回登場していただくのは、10月8日に入籍した、ガールズケイリン選手の五味田奈穂(いつみだなお)さん(28)と、スポーツバイクスペシャリストの蠣崎藍道(かきざきらんどう)さん(30)だ。

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あれ? この人、好みかも

 2016年春。順天堂大の自転車競技部に入部した奈穂さん。2級上の先輩に藍道さんがいた。「顔は部内で一番カッコいいと思った」と彼女は述懐するが、内気そうな人が多い部内で彼だけ喋りが達者。「話の情報量が多過ぎて怪しくて。あまり関わらないようにしようと思った」という。

 一方、藍道さんは「こういう子と将来、結婚できたら楽しいだろうなぁ」と直感した。互いの第一印象には大きな乖離(かいり)があった。

 その後、彼が後輩と食事に行く際、彼女にも声をかけたが不参加だった。藍道さんは18年春に卒業してからも部のことを気にかけ、大学院進学後も自転車競技を続けた奈穂さんは、相談事があれば彼に連絡を取るなどの薄い関係が続いた。

 奈穂さんは院卒後、競輪選手になるべく静岡県伊豆市の日本競輪選手養成所へ入所することに。22年5月、入所前に自転車部の同期の男子二人がお祝いの飲み会を企画。「藍道さんにも声かけていい?」と聞かれ、了承した奈穂さん。その飲み会が藍道さんと「初めてじっくり喋る機会だった」。

 話が進むうちに「あれ? この人、好みかも」との思いが奈穂さんに湧いた。彼の恋愛観などが自分と合致したのだ。藍道さんも6年前に抱いた思いは間違いではなかったと確信した。

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