「愛子さまだからこそ」……“女性天皇論”で最も重視すべきは「パーソナリティでは」との声が上がる理由
11月の第2週はトランスジェンダー認知週間だった。また、19日は国際男性デー、12~25日は女性に対する暴力をなくす運動週間など、ジェンダーについて考える機会が複数、設けられた。物価高騰や超高齢化など、社会の課題が山積する中で女性天皇の是非は置き去りにされている感も強いが、その根底にある問題点も「性差」と訳されるジェンダーだと言える。デイリー新潮で1月に「外国公式訪問デビューへ」と報じたように、ラオス訪問を果たされた愛子さまだが、ジェンダーフリーをキーワードに、改めて愛子天皇待望論の意味を考察する。
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ランドセルの色
先日、日本テレビ系のバラエティ番組「上田と女がDEEPに吠える夜」で、女性のタレントと男性の俳優が「こどもの日は祝日なのに、なんで雛祭りは平日なんだろう」という素朴な疑問についてトークを交わしていた。
男の子の成長を祝って鯉のぼりを飾る端午の節句は、「こどもの日」として休日になっているが、女の子の成長を祝い雛人形を飾る桃の節句は「雛祭り」と呼ばれる。この女性はさらに「雛人形はお雛さまの隣にお内裏さまもいるし、全然、女子の日じゃない」と冗談交じりに発言していたが、まさに“なるほど”な指摘だった。
元来、端午の節句は男子の無病息災を祝う節目の行事。しかし、1945年の衆院議員選挙法改正で、初めて男女平等の選挙権が認められたことなどを受け、48年に制定された祝日法で端午の節句の5月5日を「男女の区別なく全てのこどもを対象にする」との建前で祝日にした経緯がある。
また、テレビドラマ「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(TBS系)を観ていたら、小学校入学を控えた女児の祖父が、赤いランドセルをプレゼントしようと購入。だが、孫は青色が好きだといい、板挟みの父親役が『青い方が良かったとは言いづらい』として、実家に足を向けられなくなっている、というエピソードを放送していた。
「女の子は赤やピンク」という固定観念、いわゆる「ジェンダーバイアス」の是非を問うような内容だ。
天皇家の長女・敬宮愛子さまが通われていた学習院初等科(東京都新宿区)は、学校指定のランドセルが女子も黒だったため、愛子さまは黒いランドセルを背負われていた。2008年4月21日朝、愛子さまが皇后雅子さま(当時は皇太子妃)に付き添われて登校される姿が報道陣に公開された。小1の授業が本格化したことで、宮内庁と学習院が報道陣の取材要請に応えたものだった。
東宮御所がある赤坂御用地の鮫が橋門をご出発。宮内庁の指示に従って少し離れた場所から取材をしていると、愛子さまが黒いランドセルを背に、雅子さまとつないだ手を楽しげに前後に振りながら、笑顔で何やら言葉を交わされて200メートル程の通学路を歩かれていた光景を思い出す。この時は「女の子なのに黒か。伝統ある学習院だからだな」といった程度にしか思わなかった。だが実は、ランドセルは大正天皇の学習院入学の際に、当時の首相・伊藤博文が箱型の黒い通学鞄を献上したものが原型。つまり赤いランドセルは後発なのである。
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