西武「今井達也」にメジャーが超高評価の理由…「第2のイェサベージ」報道に「スコット・ボラス氏」の思惑

スポーツ 野球

  • ブックマーク

年俸はライオン時代の25倍?

 ここに来て、米スポーツサイト「Sports Illustrated」や、ニューヨークのスポーツメディア「heavy」が「ヤマモトほどのスペックはないが」と、一歩引いた見解を伝えるようになった。もっとも、イェサベージに近い軌道のスライダーを投げ、チェンジアップがウィニングショットにもなる投球スタイルは今も高く評価されており、「The Athletic」は5年総額1億ドル(約150億円)の契約予想を変えていない。「ESPN」も契約の規模を縮小せず、6年総額1億3500万ドル(約206億5500万円)、年平均では2250万ドル(約34億4250万円)と予想していた。

 今井のライオンズでの最終年俸は推定1億8000万円だから、約19倍も跳ね上がる。西武への譲渡金も、2212万5000ドル(約33億8500万円)に及ぶことになる。プロ野球選手会・労組が発表したチーム別平均年俸や、選手名鑑などから割り出されたチーム総年俸額を見ると、西武の25年総年俸額は12球団中10位の31億8000万円だった。来季、チーム総年俸額以上の譲渡金をどう使っていくのだろうか。

「今井が初の2桁勝利をマークしたのが23年。西武ライオンズが低迷するなかで3年連続での2桁勝利を挙げた点は高く評価されていますが、今井の平均球速は95.69マイル(約154キロ)、メジャーリーグの今季の平均球速も94マイルから95マイルです。対戦打者はフォーシームが速いというイメージを持たないと思います。ライオンズ時代よりもスライダー、チェンジアップを多投するスタイルに変わるでしょう」(米国人ライター)

 メジャーリーグのデータサイト「FanGraphs Baseball」の予想システム・ZiPSは、今井の1年目の成績を「投球回数116イニング、奪三振128、与四球51、防御率4.32」としていた。今季までの9年間の投球内容から予測したもので、勝敗数は契約先がまだ決まっていないのでまだ計算されていなかった。年平均2250万ドルの投手だと116イニングはやや物足りない数値である。

 今井には活躍してもらいたいが、高額年俸の選手は「勝って当然」の厳しい目で見られるだけに、少し心配だ。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。