もし「佐々木朗希」がWBCに出場するなら「リリーフではなく先発で使うべき」…名セットアッパー「前田幸長氏」明かす意外な“起用法”
第1回【佐々木朗希はWBCに出場できるのか 「ドジャースが参戦を許すか」よりも元プロ投手が懸念する「WBCだからこそのリスク」とは】からの続き──。「ドジャースの佐々木朗希(24)は今も制球力に問題を抱えており、それは解消されていない」と指摘するのは、野球解説者の前田幸長氏だ。(全2回の第2回)
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前田幸長氏はロッテ、中日、巨人の3球団で投手として活躍。先発、中継ぎ、クローザーの全てを経験した。佐々木にとってロッテの先輩投手にあたる。
ドジャースに入団してから佐々木は先発投手としては苦しみ、ポストシーズンで抑えに回って活躍した。前田氏も先発と抑えの経験を豊富に持っており、冷静な視点で後輩の投球を見つめ続けてきた。
さらに前田氏は2008年には渡米してレンジャーズとマイナー契約を結んだ。3Aオクラホマで36試合に登板したため、アメリカの野球事情にも詳しい。
今季の佐々木は先発投手としてはファンに“失格”の烙印を押されたこともあったが、ポストシーズンでリリーフ陣の一角として活躍して名誉挽回を果たした。
前田氏は「確かにマイナーリーグでリハビリ登板をすると、佐々木投手の投球内容に変化が生じたのは事実です」と言う。
「メジャーで先発投手として投げていた時は、下手をすると1巡目のバッターにも打たれたり、四死球を与えたりする試合もありました。ところがマイナーのマウンドでは1巡目ならそれなりの投球内容を見せられるようになってきたのです。その好投がポストシーズンでの活躍を生んだ可能性もあります。ただ野球で怖いのは『たまたまうまくいった』ということも珍しくないことです」
信頼できない投球内容
佐々木のWBC出場をドジャースは認めるのか認めないのか──アメリカメディアでも報道は錯綜している。
もし佐々木の出場が認められた場合、ポストシーズンのように抑えで活躍してほしいと期待する野球ファンは少なくないだろう。
だが、前田氏は「今の実力を考えれば、そもそも佐々木投手は“間違いなく代表に選ばれる”というレベルには達していません」と言う。
「ポストシーズンも短期決戦ですが、最低でも1敗はできます。一方、WBCの決勝トーナメントは文字通り負けられない戦いです。抑えで7回や8回に登板した佐々木投手が4点を取られたら、同点に追いつくだけでも相当に厳しいでしょう。確かに佐々木投手がドジャースの優勝に貢献したのは事実ですが、WBCに抑えとして投入するのは、やはりリスクが大きいのではないでしょうか。厳しい言い方ですが、先発としてだけでなく、抑えとしても全幅の信頼を置けるだけの投球内容ではなかったと思います」
なぜ佐々木は信頼を回復できていないのか、前田氏は「佐々木投手の抱えている本質的な欠点は改善されていないからです」と言う。
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