もし「佐々木朗希」がWBCに出場するなら「リリーフではなく先発で使うべき」…名セットアッパー「前田幸長氏」明かす意外な“起用法”
“たまたまうまくいった”可能性
「佐々木投手の抱えている本質的な欠点とは何か、それは球種が少ないことと制球難です。確かに真っ直ぐとスプリットはメジャーの打者にも通用します。ところがカーブとスライダーは駄目です。日本のプロ野球では通用していましたが、メジャーの打者は打ち返してしまうのです。さらに好投したポストシーズンでさえも制球力が格段に向上したようには見えませんでした。あの活躍は“たまたまうまくいった”可能性は否定できず、四死球を連発して自滅したとしても不思議はなかったと思います」(同・前田氏)
ここで前田氏は「もし佐々木投手が代表に選ばれたのなら、むしろ先発で起用すべきだと思います」と提案する。
佐々木が先発──今季序盤に見せた投球内容を思い出し、「先発こそ絶対に駄目だ」と反論する野球ファンもおられるだろう。
先発の佐々木は制球難に苦しみ、押し出しの四球で1点を献上して降板という情けない姿がファンの脳裏に刻み込まれた。絶対に負けられないWBCの試合で佐々木を先発に使うのは論外ではないのか……。
ブルペンデー覚悟の先発
「いわゆる“3本柱”として先発投手陣の中核を担ってもらおうとは、もちろん私も考えていません。メジャーには『オープナー』という投手起用法があります。1回と2回を抑えたら降板という使い方です。佐々木投手がWBCに出場できるのなら、期待できるのは『長めのオープナー』でしょう。3回降板も想定に入れる。4回まで持ち堪えてくれれば大健闘という作戦です。WBCの日程は厳しく、先発投手も4枚目、5枚目のカードが必要です。そして佐々木投手が先発する試合は中継ぎ陣をフル動員する『ブルペンデー』で勝利を目指すわけです」(同・前田氏)
第1回【佐々木朗希はWBCに出場できるのか 「ドジャースが参戦を許すか」よりも元プロ投手が懸念する「WBCだからこそのリスク」とは】では、佐々木が先発としては「5回まで投げられない」という屈辱を味わい、ポストシーズンで抑えに回ると“名誉回復”を果たしたという“波瀾万丈”の今シーズンを改めて振り返る──。
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