「全員20代」首都圏連続強盗事件の指示役4人が逮捕 3人は「韓国カジノ」に飛び立つ直前「リンチ監禁事件」で捕まっていた 少年刑務所に服役した過去を持つ男も

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韓国のカジノへ向かう直前に成田空港で

 4人のうち福地、斎藤、村上の3容疑者は、すでに昨年11月初旬、別の傷害事件で千葉県警に逮捕されていた。逮捕された場所は成田空港だった。

「3人は多額の現金を持っており、韓国のカジノで豪遊しようとしていた。逮捕した当初、警察は連続強盗事件とのつながりは見えていなかったようです」(同)

 この傷害事件は連続強盗事件が動いていた最中の昨年9月18日、千葉県船橋市内の神社で発生。すでに千葉地裁で公判が始まっている。被害に遭ったのは30代男性X氏。金銭トラブルが発端だった。

「X氏が数人で自分たちの仲間の自宅に押しかけたことを知った福地容疑者らがX氏を呼び出し、待ち合わせ場所の神社に一人で現れたところを襲撃。拳やバットなどで殴り、車に乗せて千葉の山中に連れ去った。X氏は車中や山中でも壮絶なリンチを加えられ、解放されましたが、右下第一下日歯歯冠破折、頭部打撲療過傷、顔面打撲傷など全治1カ月の重傷を負いました」(同)

福地容疑者は16歳の時に「傷害致死事件」を起こしていた

 この傷害事件の背景を調べるうちに、3人の連続強盗事件への関与が浮上したという。

「連続強盗事件では実行犯から金を受け取り、指示役へと渡す役割を持っていた回収役も複数捕まっている。実行犯から金銭を受け取り公園などに置いておく者、それを受け取り別の場所へ運ぶ者、といったふうに複数人かませて、指示役に行きつかないよう工夫されていました。千葉県警が逮捕した3人のスマホの解析を進めると、この回収ルートとのつながりが見えてきて特定に至ったのです。4人のほか、首謀者グループには他にも関与した者が数人がいるとみられています」(同)

 強盗事件での摘発に先立ち、警視庁はすでに福地を詐欺容疑で3度逮捕している。最初の逮捕は今年7月31日。昨年11月、千葉県内の80歳代女性の携帯電話に息子を装って「女性を妊娠させ、示談金が必要」とうその電話をかけ、現金100万円を詐取した疑いだった。

 9月3日には、昨年11月、埼玉県内の80歳代女性の携帯電話に息子を装って「女性を妊娠させた。示談金が必要」とうその電話をかけ、現金450万円などを詐取した疑いで再逮捕。さらに10月15日には昨年10月、千葉県の70代女性に対し、息子を装って電話をかけ、妊娠示談金名目で300万円を詐取した容疑でも再逮捕されている。

「3件とも福地容疑者は現金回収の指示役で、トップの指示役ではなかった。福地容疑者は点検商法や特殊詐欺を繰り返して警視庁に摘発された、準暴力団『打越スペクターOBグループ』にも出入りしており、そこから回ってきた案件だった模様。一方、連続強盗事件では自分たちが最上位に立って稼ごうと、他の3人と一緒に始めたとみられている。4人は歳が近いことで意気投合。同格の立場だったようです」(同)

 闇バイトを操り、やりたい放題やってきた4人。だが福地容疑者が背負う“罪”はそれだけに収まらない。福地容疑者には少年時代、人を死なせる重大事件を起こした前科があった。少年刑務所を20歳で出所。更生して人生をやり直したはずだったーー。

 後編【首都圏連続強盗事件の指示役26歳は「16歳の時に傷害事件で17歳少年を死なせていた」20歳で少年刑務所を出所 母親は「更生しようと真面目にやっていた」】では、福地容疑者が少年時代に起こした事件について詳報している。

デイリー新潮編集部

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