ドラッグ密売人のシングルマザー役で「北川景子」に主演女優賞…人気女優があえて“汚れ役”に挑む理由とは
ノーメイクで食事も制限
今年度の映画賞レースの幕開けとなる「第50回報知映画賞」の各賞が今月2日、発表され、主演女優賞は公開中の「ナイトフラワー」から北川景子(39)が受賞した。草彅剛(51)が主演を務め、数々の映画賞を受賞した「ミッドナイトスワン」の内田英治監督がメガホンを取っている。北川演じる2人の幼子を育てるシングルマザーが、子どもたちの夢をかなえるため危険な世界へと足を踏み入れていく姿をスリリングに描き出すヒューマンサスペンスだ。
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北川が演じた夏希は、借金取りに追われ関西から東京へ逃げてきたシングルマザー。昼夜の別なく働くが家庭は困窮し、我が子の未来のために違法薬物の売人になることを決意する。「スポーツ報知」のインタビューによると、撮影中の北川は食事の量を制限し、ノーメイク。極限の自分をカメラの前でさらけ出したという。自身初の主演女優賞受賞とあって、「いつか主演で映画賞を、というのは恥ずかしくて言えなかったのですが、本当に夢でした。ようやくスタートラインに立ったような、2回目の俳優人生が開けていくような気がしています」と戴冠を喜んだ。
「北川さんは、圧倒的なルックスの持ち主ということもあり、デビュー以降、正統派ヒロインが多かった。代表作は日本テレビ系のドラマ『家売る女』シリーズで、天才的な不動産会社のバリバリの営業マンという役どころ。イメージにピッタリの配役でした。そんな北川さんが、まさか、『ナイトフラワー』のような“汚れ役”に挑むとは思いませんでした」(映画担当記者)
そもそも北川といえば、父は超一流企業の重役であることがメディアで報じられている。2人の子どもがいるのは映画で演じたキャラと共通するが、夫で歌手・タレントのDAIGO(47)の祖父は竹下登元首相という、華やかなファミリーなのだ。
「それだけに『ナイトフラワー』での北川さんは実生活とのギャップがハンパではなかった。演じた夏希は昼は地球儀の製作、夜は繁華街のホテルの清掃やスナックのホステスなど職を掛け持ちし、それでも家計がひっ迫し、貧困を絵に描いたような生活で売人になることを決意します。ただ生きることに必死な、疲れ果てたシングルマザーとして悲壮感を漂わせていますが、売人になる覚悟を決め、密売グループのボスと対峙した際には、子どもたちの未来を背負う覚悟を全身から漂わせ、絶妙に演技を切り替えています。そんな北川さんを支えたのが、ボディーガードをする代わりに利益の半分を渡すよう要求する、格闘家・多摩恵役の森田望智さん(29)。2人はいわば運命共同体で互いの演技が相乗効果を生みました」(同前)
森田は同映画賞で助演女優賞を受賞。また、27年前期放送のNHK連続テレビ小説「巡るスワン」のヒロインに決定している演技派だけに、森田が北川の演技に大いに刺激を与えたはずだ。
「これまで、汚れ役のオファーを受けてくれるかどうかも微妙だった北川さんですが、今後は狡猾な悪女や凶悪な犯罪者など、今まで演じてこなかった役のオファーが増えるかもしれません。まさに、俳優としてのステップアップにつながるのでは」(テレビ局関係者)
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