「どこに行っても、うんこだらけ」「畳の上にバアーッと」…朝鮮からの引揚経験者たちが目にした「地獄の光景」 #戦争の記憶
第2次世界大戦に敗れ、国家としての主権を失った日本。朝鮮半島では38度線が封鎖され、ソ連の統治下に置かれた「北側」に取り残された在留邦人は難民と化した。
「ソ連軍が攻めてくる!」。1945年8月上旬、敗戦に先んじて、朝鮮の北部に住む日本人はパニック状態に陥っていた。住み慣れた土地や家財を捨てて避難を始めたものの、その逃避行は過酷を極め、「異様な光景」があちこちで目撃されたという――。
そんな惨状を見過ごせず、6万人を救い出す大胆な計画を立てた「一人の男」――松村義士男(ぎしお)に光を当てた歴史ノンフィクション『奪還 日本人難民6万人を救った男』(城内康伸著)より、一部抜粋・再編集して紹介する。...

