「居酒屋の注文」どころか「バス停の時刻表」までQRコード…“スマホありき”で社会は本当に効率化したのか
逆に非効率になるものも
世の中がデジタルファーストになっており、スマホを全員が持っていることが前提になのは理解する。しかし、デジタルに偏重し過ぎるとどうなるか。
2018年、北海道胆振東部地震では大規模な停電が発生。その際、人々はコンビニ等に飲料水や食料を求めたが、電子マネーが使用不能となった件がある。今の時代、インフルエンサー様が「スマホを持たないヤツはバカ」「現金払いしかない店はアホ。中国の方が電子決済は進んでいる」などとX等で発言する。要するにデジタル化できない人間はアホで時代に追いつけない無駄な存在である、という認識である。
まぁ、ガラケーユーザーの私(52歳男)もその主張は認めよう。だが、スマホとITを使わない人間をいちいちバカにしないでいただきたいのだ。世の大多数がスマホとIT対応になっているのは分かるんですよ。でも、バス停の時刻表すらITとスマホ対応にし、これに疑問を抱くだけでバカ扱いってヒドくないですか?
IT化の弊害という話から少しだけ逸れるが、最近増え続けるセルフレジって本当に合理化に貢献しているのだろうか。私が時々行くスーパー兼ディスカウントストアには、6台のセルフレジがあるが、商品のバーコードを読み取らせるのに慣れず、時間がかかる。時には舌打ちをする人がいるほど、苦手な人もいる。大行列ができてしまい、売り上げにも影響を及ぼしかねない状況なのである。
まあ、この問題は、客側が慣れれば済む話なのかもしれない。百歩譲ってそれは目を瞑ろう。だが、不正がないかを監視するために、2人の従業員が見張っているというのは、いかがなものか。さらには、アルコール類を購入する場合、20歳以上かどうかを確認するボタンを押すと、従業員が確認にやってくる。
恐らく従業員もアルコールの年齢確認についてはアホらしいと思っているのだろうが、不正防止のためには目を光らせなくてはならない。となると、むしろ有人レジを2つ開放すればいいのではなかろうか? セルフレジは人件費削減に、本当に貢献しているのか疑問に思ってしまうのだ。
デジタル化、その技術を使っての合理化を推進し過ぎるあまり、逆に非効率になるものもあるのでは、と思うのである。今回の神奈川のバス停についてはその気持ちを改めてもたらした。





