「偏差値73」進学校の高校球児が「東大文一」に合格できた理由 「東大野球部」主将が明かす「25年分の過去問を最低2回は解きました」

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共通テストでは「足切りライン」の危機も

 杉浦選手が受験した東京大学文科一類は、共通テストで数学と理科を含む5教科7科目と、本試験の数学を含む4教科5科目の得点を合わせた550点満点で合否が決められ、共通テストでは一定以上の得点が求められる。
(※東京大学では、共通テストの900点は110点満点に換算される。なお記載は当時のもので、現在は受験科目数が異なります)

 共通テストでは国公立大学に加えて、私立大学を併願するケースも一般的だが、「浪人しても東大に行くつもりだった」という杉浦選手の意向もあって、それらは利用せずに試験日を迎えた。

 だが「例年よりも難しく平均点も低かった」という共通テストでは、同年の合格者平均と同水準の750点(900点満点)を獲得するも、「あまり得意ではない」と話す国語では140点台(200点満点)を記録するなど、思い通りにいかない場面も。一時は「足切りライン」にかかり、本試験を迎えることなく浪人が決まる状況を味わうも、二次試験で巻き返して見事に合格を掴み取り、杉浦選手は中学時代に思い描いた目標を実現させた。

新しいことを学ぶと、脳が活性化される

 晴れて東京大学文科一類に入学した杉浦選手は、その後は「比較的野球と両立しやすい」法学部に在籍。「苦手を克服するために選んだ」という民事訴訟法のゼミに入り、裁判の事例を見ながら同級生らと議論を交わすなど、充実した日々を過ごした。

「新しいことを学ぶと、脳が活性化しているような感覚があって、何となく心地が良いんです。一日に出来る練習やトレーニングには限界があるので、それ以外の時間で得られる刺激も、日常で欠かせないものになっています」

 グラウンド外でも経験を重ねた杉浦選手は、大学2年の春に公式戦デビューを果たすと、大学3年の春からレギュラーに。

「試合前は、プレッシャーよりも『絶対にやってやる!』というワクワク感が強かったように思います。前日までに投手の調子や球種を見極めながら、何度もシミュレーションを繰り返しつつ、グラウンドではバッターボックスの相手打者を観察しながら思いを巡らせ、分析だけに頼らない配球を心がけました」

 昨年秋には、チームとしては7年ぶりにシーズン2勝を記録。同級生のサブマリン、渡辺向輝投手ら投手陣を支えた杉浦選手の攻守にわたる活躍も光った。

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