「クマ被害」を防ぐ意外な“奥の手”…カギを握るのは「放棄された果樹」の伐採 「クマを人里に寄せつけずに共存できれば」

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マスコミの報道の過熱ぶりも問題

――クマ問題に関しては、マスコミの報道が過熱しすぎという意見もあります。

小川:マスコミの報道が過熱していることには、私どもも戸惑いを感じています。私は以前から、“クマ問題は人の問題でもある”と話しています。本来は両者が共存を図るべきなのですが、今はクマがまったくの悪者で、出てきたら殺すという選択肢しかないように見受けられますが、人の在り方は正しいのでしょうか。改善すべき点はないのでしょうか。

 クマが餌を求めているところに、たまたま人間が出くわしてしまった。クマも人間が怖いので、人を驚かせてしまった。両者が興奮し、驚いてしまったので、事故につながってしまった。クマが多く出没する地域で、人が早朝に単独で行動するのは極めて危険です。クマがやってくるようなゴミの出し方に、問題があることもあります。

 このようなケースも多いと思うのですが、人間が一方的にクマに襲撃されたという文言で語られてしまうのです。

――人の行動にも問題があると。

小川:はい。クマにまつわるトラブルは、人の落ち度や不注意で生じたものもあるはずですが、そういった視点で語られることがほとんどありません。人を襲ってしまったクマを悪者にするだけでは、いくら警察や自衛隊が出動しても解決しないと思います。人間が行動を改めるべき点もあるのではないかと考えます。

クマと人間、共存の道

――クマと人間が共存していくためには、どのような取り組みが必要だと考えていますか。

小川:今まで語られてきたクマへの対処法は、人間がクマの生息域である森で遭遇したケースを想定し、作られていました。大きな声や、クマ鈴などで音を出すなどの対策もそうですね。しかし、現在のように市街地でもクマに遭遇する状況になってしまうと、今までのような対処法ではいけないでしょう。

 新たな対処法、マニュアルを作る必要があります。そのためには、実際に市街地でクマに襲われ、ケガをした人に状況などを徹底的にヒアリングすべきです。どういう状況で襲われたのか、一種のパターンが見えてくるはずです。

 クマは市街地に、人間を襲うために来ているわけではありません。本州のツキノワグマでも、北海道のヒグマでもそれは同じ。行動のパターンを探ったり、放棄果樹の伐採などでクマを寄せ付けないよう手を打ったりすることによって、共存の道を探っていくべきでしょう。

ライター・山内貴範

デイリー新潮編集部

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