5億5000万円「山下美夢有」が賞金ランク3位 「日本勢7名」が“ミリオネア”の米女子ゴルフ、来季の賞金総額アップでもっと“リッチな職場”に
「来季は今季より良いものになる」
米LPGAでは、今年5月にクレッグ・ケセラー氏が第10代コミッショナーに就任したばかり。2025年シーズンはいわば移行期となり、2026年シーズンは新体制下で迎える初めてのフルシーズンとなる。
先日、来季のツアー日程がすでに発表され、今季とは異なる点がいくつか見て取れるが、ケセラー氏は「もっと大きく変えたい」と考えているという。
「ツアーのスケジュールは、とても重要である。(タイトル・スポンサーとは)複数年契約があるから、ツアー日程を一気に変えることはできないが、2027年、2028年、2029年へ向けて徐々に変えていきたい。もちろん、来季は今季より良いものになる」
その言葉通り、来季の年間の賞金総額は、今季より300万ドルもアップするとのこと。なるほど、賞金面では「来季は今季より良いもの」になる。
一方で、試合数は今季の32試合から1試合減って31試合となるが、それは縮小を意味しているわけではなく、新規大会も創設される。4月2日から5日に米ラスベガスで開催予定のアラムコ選手権がそれである。
「アラムコ」の名が冠された大会は、そもそもは欧州女子ツアー(LET)がサウジアラビアのゴルフ勢力に支援を受けて開催しているアラムコ・シリーズが、すでに米欧双方で行われている。来季から始まる新規大会のアラムコ選手権は、米LPGAとLETとの共催大会という形で初開催される。
また、アラムコの名が冠された大会が米LPGAの大会として米国内で開催されるのは、来季のアラムコ選手権が史上初となる。言い換えれば、米LPGAがオフィシャルな形でサウジのゴルフ勢力と手を組む初の大会ということになる。
メジャー大会の開催コースが「未定」
一方で、歴史あるメジャー大会の開催場所が「コロコロ変わる」という異例の事態も迎えている。
シーズン最初のメジャー大会、シェブロン選手権といえば、今年4月に西郷真央が勝利を挙げ、優勝者が池に飛び込む恒例の「チャンピオン・ダイブ」を披露した大会である。
同大会は長年、カリフォルニア州ランチョ・ミラージュのミッションヒルズで開催されていたが、2023年からはテキサス州ヒューストンのザ・クラブ・アット・カールトンウッズに移された。
カールトンウッズの18番グリーン脇の池は、水が汚染されていたり、池底にヘビやワニがいたりで、ダイブに適した池ではなかったが、大会側の必死の努力で水質がなんとか改善され、ここ3年は恒例のチャンピオン・ダイブも続行されてきた。
しかし、18番グリーン奥の巨大なギャラリー・スタンドが2オンを狙う選手たちのショットを受け止め、池ポチャから守る便利な「盾(たて)」になっている等々、コース設定に対する批判が相次ぎ、ついには開催コースの変更という事態へ発展してしまった様子である。
米LPGAからの正式発表はなされていないが、来年大会からは同じテキサス州内のメモリアルパークGCが舞台になると、米メディアがすでに報じている。
ともあれ、来季のメジャー大会の開催コースが、この時期に「未定」というのは、異例中の異例の事態だ。新コミッショナーのケセラー氏が、そんな不安要素、不確定要素にどう対処していくのか、お手並み拝見というところである。
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