画家・横尾忠則が語る“絵の中を旅する”方法 「知識や言葉は必要ない」

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 この「週刊新潮」の原稿は、僕がしゃべって、それを編集者がリライトしているのではないかと思っている人が随分多いですよ、と今日来たテレビのディレクターの知人が言いました。

 ということは文章になってないのかも知れない。僕は文筆家でないから、自分の文体を持っているわけではなく、早くいえば話し言葉に近いから、そう思われているのかも知れない。

 作家の文体はひとつの創造です。絵でいえば造形です。画家は造形を確立することでその作家の文体を確立します。僕の書くエッセイは、そんなしんどい努力はしません。...

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