「やんちゃな遊び人が多い角界では珍しく…」 大関昇進「21歳ウクライナ出身力士」不祥事とは無縁の“ピュアな素顔”
【全2回(前編/後編)の前編】
ウクライナ出身力士として初の賜杯を手にし、大関昇進を果たした安青錦(あおにしき)。21歳8カ月での初優勝は、年6場所制となった1958年以降、4番目の年少記録でもある。そんな彼の素顔はというと、未成年飲酒や“悪ノリ”が過ぎる力士同士の乱痴気騒ぎなど、耳を疑うような不祥事ばかりが聞こえてくる角界において、とにかく、ひたむきだというのだ。
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悪いうわさがない
九州場所の千秋楽を迎えた11月23日、安青錦は本割で大関琴櫻(28)に、得意の内無双を披露。見事な勝利を果たすと、優勝決定戦でも横綱豊昇龍(26)に送り投げを決めた。
「破竹の勢いで諸先輩をなぎ倒す新星の活躍に、会場がどっと沸いた後、熱心な相撲ファンはさらなる決定的瞬間を見逃しませんでした。安青錦が花道を行き、支度部屋に戻る際、付け人の魁佑馬(25)の頬に涙がこぼれていたのです」(大相撲担当記者)
安青錦の所属する安治川部屋は力士の数が少なく、付け人の魁佑馬を浅香山部屋から“借りている”形だ。つまり、両者は兄弟関係になく、強く入れ込むほどではないと思えるが、
「それでも魁佑馬が泣いてしまったのは、安青錦に人望があるからでしょう。彼は、やんちゃな遊び人が多い角界では珍しく、悪いうわさがない。普通の力士は、巡業先のどこでオイタしたなんて醜聞を一つや二つは持っているものですが、安青錦については全く聞いたことがありません」(同)
漢字を使いこなして
頭脳も明晰で、2022年12月の入門以降、相撲を理解するため、必死に日本語を上達させた。
「今や友人とSNSのダイレクトメッセージでやり取りをする際、日本人のように漢字を使い、こなれた表現を駆使しています。初優勝を決めた際のインタビューでも、冒頭で“素直にうれしい”と述べていましたが、スムーズに“素直に”という言葉が出てくるあたりがさすがです」(角界関係者)
「今は上位陣が“握る”なんてことはさしてない」
安青錦が駆け抜けるようにスターの仲間入りをし、盛り上がる大相撲。近頃、スピード初優勝を果たす力士が多いのはなぜか。24年3月には現十両尊富士(26)が初土俵から所要10場所で、この年の5月には現横綱大の里(25)が同7場所で、初優勝を遂げている。
「ひと昔前に比べて、圧倒的にガチンコが増えたことも大きい。今は、上位陣が“握る”なんてことはさしてなく、誰が優勝するのか分からない。入れ替わり立ち替わり、新星が登場する状況ですね」(前出の角界関係者)
真面目な安青錦にとっては、何よりの時代が訪れているといえよう。
後編【大関昇進“21歳ウクライナ出身力士”が「背負っている覚悟が違う」と言われる理由 「残っていれば銃撃戦に巻き込まれた可能性も…」】では、そんなひたむきな素顔の裏にあった母国での厳しい生活について報じる。



