「相手の思うツボ」で山里亮太が物議…テレビにとって「政治的公平性」とは何か

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放送法を守る気はある?

 極めてデリケートな問題でありながら、おそらく志らくと山里に自由に話させている。発言内容をきちんと事前に打ち合わせしているとは思えない。

 芸人コメンテーター、芸人MCを使うのは、番組に華やかさや親しみやすさを生みたいから。つまりは視聴率を取りたいからである。芸能プロダクションから起用を頼まれることもある。

 優先されるはずの放送法は後回しになっているように見える。視聴者に正確で、政治的に偏らない情報を伝えるのなら、コメンテーターもMCもニュースの専門家を起用するのがベターだ。たとえ視聴率が落ちても。それが世界の当たり前である。

 テレビは野党のことを一方的に持ち上げることも許されないと書いた。もっとも、「ひるおび」が野党に利する報道をすることはないのではないか。

 この番組は2021年10月10日の放送で、レギュラーコメンテーターが日本共産党について「まだ暴力的な革命を党の要綱として廃止していない」と解説した。 

 そんな綱領がないことは多くの人が知っているから、驚きだった。同13日の放送でアナウンサーが「日本共産党の綱領にそのようなことは書かれていませんでした。訂正してお詫びします」と謝罪した。

 このコメンテーターは芸人ではないものの、ニュースの専門家ではない。うろおぼえの知識でこんな発言をしてしまうらしい。

 放送法4条3項の「報道は事実をまげないですること」に違反した。だが、このコメンテーターは続投している。無論、これが自民党に関する誤情報でも許されなかった。

 この番組に限らず、放送法に対する意識が薄いのではないか。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。前放送批評懇談会出版編集委員。

デイリー新潮編集部

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