〈敗戦国には原爆を5発落とせばいい〉 中国で吹き荒れる日本への暴言 「駐大阪総領事は“ツイ廃”と揶揄されるほどのSNS中毒」
〈敗戦国には原爆を使っていい〉
今や中国では、ネットを中心にして日本への罵詈雑言の嵐が吹き荒れている。
〈原子爆弾を5発落としてやればいい! 敗戦国には原爆を使っていいんだ!〉
〈中国人が日本製品をボイコットし、日本旅行をやめるだけで、高市早苗への有力な反撃になるぞ〉
といった過激コメントが増えていると話すのは、『一九八四+四〇 ウイグル潜行』の著者で、ライターの西谷格氏である。
「日本では“汚い首発言”が波紋を呼びましたが、中国国内の報道では薛氏の発言はなかったことにされています。外交部のホームページでも、外国人記者から問題発言について質問された部分は記載されていません。普通の中国人は薛氏の暴言を知らないので、一方的に高市首相が挑発して騒ぎ続けていると嫌悪感を持つケースも多いと思います」
困ったことに、高市首相の「名前」をもてあそぶ動きもあると明かすのは、中国事情に詳しいジャーナリストで翻訳家の高口康太氏だ。
「中国語では『ガオシー(高市)』と発音しますが、似た発音で『もめ事』の意味を持つ『ナオシー(鬧市)』に言い換えて、“もめ事を起こす早苗”と揶揄する中国人が増えてきています。今月15日、首相官邸前で高市発言に反対するデモが行われました。この映像が中国人の間で出回っていて、そこには“中国人だけじゃなく、多くの日本国民も高市発言に怒っている”といった類いのメッセージが添えられているのです。日本人も中国人と同じく『もめ事を起こす早苗』をとんでもないと思っている。そう受け止められてしまっています」
「渡航や留学のみならず、さまざまな分野で報復が」
こうした国民感情をうまくたきつけ、中国政府は情報戦を仕掛けているという。
「注目すべきは、高市首相の発言が今月7日で、中国政府が日本の金杉憲治駐中国大使を呼び出したのが13日と時差があったこと。恐らく中国政府は、この6日間で対応を協議。日本国内の動向などを分析して最終的に中国共産党上層部、つまり習主席が“今回は徹底的にやる”と決断したのだと思います。13日の件を報じた新華社通信の記事には“上級の指示に従い日本大使を呼び出した”という主旨のことが書かれ、習主席の決断であると暗示していた。いわば日本への制裁を開始する合図に等しく、中央の意図を各省庁や地方政府がくみ取り、首相発言が撤回されなければ、渡航や留学の自粛のみならず、様々な分野で報復が行われる可能性があります」(高口氏)
わが物顔で尖閣へは領海侵犯を繰り返すくせに、少しでも自分が気に食わないと感情的に反発する。自分勝手な国というほかない。
だが、本当に「高市発言」は、外交問題に発展して撤回を求められるほどの“失言”なのだろうか。
かつて安倍・菅両政権で国家安全保障局長を務めていた北村滋氏に聞くと、
「基本的には従来の政府見解から外れていませんし、法的解釈として間違っていない以上、高市総理も発言撤回はしないでしょう。仮にそうしたら、おかしな話になってしまいます」
実際、北村氏のみならず歴代政権で安全保障や外交の中枢に携わった人々は、新聞やテレビが大々的に報じない“本音”を口にする。
後編【「高市総理はブレないで」 国境の島・与那国町前町長が明かす”本音“ 「高市答弁」は本当に問題なのか?】では、国境の島である与那国町前町長や外交のエキスパートらが語った「高市氏の発言は当たり前のことを言っただけ」「毅然とした態度を貫いてほしい」という声について紹介する。





