「打者の小粒感が否めなかった」 侍ジャパン「国内組」にメジャースカウトが辛辣評価 投手も低調 WBC連覇は「大谷翔平が出場しないと…」
11月15、16日の両日、東京ドームで侍ジャパンは韓国との強化試合に臨んだ。来年3月のWBCに向け、国内組の最終選考として位置付けたこのシリーズ。しかし、それを観戦したメジャースカウトからは辛辣な評価が相次いだ。
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球の質がまだまだ
侍ジャパンが国内組で臨んだ強化試合・韓国戦は1勝1分だった。1戦目は11-4で逆転勝利を飾ったが、2戦目は7-7で引き分け。7回から救援登板した高橋宏斗(中日)が2回2安打2失点とピリッとせず、1点リードの9回に登板した大勢(巨人)も2死から同点ソロを被弾した。投手陣はシーズンの疲れが抜けていないことを考慮しなければいけないし、ピッチコムへの対応に不慣れで投球のリズムをつかめなかった部分があっただろう。
だが、試合を視察したメジャー球団のスカウトはシビアな見方を口にする。
「高橋宏斗、大勢は将来メジャーで活躍できる逸材です。ただ、メジャーでプレーしている日本人投手に比べて球の質をまだまだ磨く必要がある。これは侍ジャパンの試合だけを見て指摘している課題ではありません。高橋宏は体の開きが早いのか、シーズン中から150キロを超える直球が痛打を浴びるケースが目立ちます。潜在能力の高さを考えれば、もっと良いパフォーマンスを見せられる投手です。大勢も直球がシュート回転するので、タイミングが合えばスタンドに運ばれるリスクがある。打線は特に印象に残った選手はいないですね。韓国の打者の方がパワフルで怖さを感じました」
長打を打てる選手が少ない
村上宗隆(ヤクルト)、佐藤輝明(阪神)を招集しなかったものの、2試合で計18得点を奪ったが、本塁打は第1戦で岸田行倫(巨人)が放った1本のみ。一方で韓国に4本のアーチを浴びた。本塁打の怖さを感じる選手が森下翔太(阪神)、岡本和真(巨人)、牧秀悟(DeNA)の3人のみで打線全体の小粒感が否めない。2戦で計21四球と韓国投手陣の制球難による自滅で得点を重ねたのが実情だった。
侍ジャパンを長年取材しているスポーツ紙記者は危機感を口にする。
「かつての韓国代表は日本と実力が拮抗していましたが、今大会に登板したリリーバーの投球を見ると、NPBの2軍レベルです。大量得点を奪っても参考になりません。一方で韓国、台湾の打線は日本を上回るスピードで破壊力が上がっている。昨年11月に開催されたプレミア12でも決勝で台湾に0-4で敗れましたが、侍ジャパンは長打を打てる選手が少ない。NPB全体で投高打低の傾向がありますが、スモールベースボールは限界があることは過去の国際大会で証明されています」
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