「巨人軍」再建に高いハードル…「4番」「エース」は未知数も「ブルペン補強は満点」の声 田中将大が尊敬する「健さん」移籍の効果は
岡本に代わる4番候補
来季の巨人は「再建」への一歩を踏み出せるのか、それとも、「辛い暗黒時代」に突入してしまうのか。秋季キャンプではこの時期、異例となる紅白戦も行われたが、阿部慎之助監督(46)は、采配を振るわずに、球場3階の放送ブースから若手選手たちを見下ろす日もあった。その11月8日の3階席観戦後、阿部監督は選手の守備位置やカバーリングの意識について語った。
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巨人の失策数は24年のリーグ最少58個から、今季は一気に同ワーストの78個まで増えている。ディフェンスの建て直しは必須だが、リーグチャンピオンフラッグの奪回に必要なことは他にもある。球団は主砲・岡本和真(29)のポスティングシステムによる米球界挑戦を認めた。来季は4番とエースが不在、攻守の主軸を欠いた中でのリ・スタートとなる。
「24年オフに菅野智之がオリオールズと契約し、『エースの座』を継承してくれるはずだった戸郷翔征(25)が不振に陥りました。さらに、今年5月の阪神戦で、打者走者と接触した岡本は、3ヶ月以上もチームを離れることに。岡本が苦悶の表情を浮かべ、倒れ込んでいたとき、『今シーズンが終わった』というファンの溜息も聞かれました」(スポーツ紙記者)
4番とはチームの精神的支柱でもある。また、これまで高い成績を残してきた岡本の代わりはそう簡単には見つからないだろう。
「岡本不在の間、4番も務めたキャベッジ(28)の去就がいまだ不透明です。来季はリチャード(26)と石塚裕惺(19)を実戦の中で育てていくなんて話も出ています。現実的な選択肢として泉口友汰(26)と、坂本勇人(36)の復調に賭けるしかないようです」(前出・同)
“外部補強”で埋めるとしたら……気になる情報も飛び込んできた。今年8月、タンパベイ・レイズでメジャーデビューしたボブ・セイモア(27)の退団が発表された。メジャーリーグの選手移籍情報をメインとする米野球専門誌「Trade Rumors」によれば、「セイモアはアジアでのプレーを希望し、球団もそれを了承した」と伝えていた。
アジアというだけで、日本や韓国など、具体的な国名を挙げていないのが気になるが、セイモアは左打ちで体型は、今季までDeNAに所属したフォード(33)に似ている。少し重そうな体付きだが、鋭いバットスイングで大飛球を飛ばす。シーズン終盤の約6週間だけの出場だったため、打率は2割5厘、本塁打1と低いが、マイナーでは30ホーマーを放っている。その終盤戦の6週間で83打席に立ったが、32個の三振も記録しているので「当たれば飛ぶ」のオールドタイプの長距離ヒッターのようだ。
「守備はファーストしか守れないようですね。マイナーでは一塁かDHでの出場がほとんどでした。シーズン終盤で昇格となる若手は、基本的に球団が見込みがあると認めたわけなので、伸びしろは十分にあります」(現地記者)
将来を有望視されているレイズでのポジションを捨ててまで「アジアのプロ野球チームに行く」となれば、大型年俸か、レギュラーを保証されたと考えるのが当然だろう。
また、若手の底上げでは新任の石井琢朗・二軍監督(55)が、三塚琉生(21)に付きっきりになる場面も多く、三塚自身も打球音が変わってきたことに手応えを感じているそうだ。
「左打ちの三塚に、外角低めのボールを右翼ポールに引っ張るイメージの打撃を指導していました。フルスイングする力をつけるためだと思われます」(前出・スポーツ紙記者)
三塚は今年6月に支配下契約を勝ち取った。期待の若手であることに間違いないが、外野の一角を争うのはもう少し先の話だろう。
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