ドジャースも獲得狙う“メジャー屈指のスラッガー”の去就が「鈴木誠也」の今後を左右する理由…打点は“大谷越え”でもカブスから放出されるか

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FA市場のトップ選手

 今オフの米フリーエージェント(以下=FA)市場の目玉、ランキングトップはシカゴカブスのカイル・タッカー(28)である。しかも、その交渉の行方がチームメイトの鈴木誠也(31)の去就にも影響してきそうだ。

「タッカーは、走攻守の全てが揃ったオールラウンドプレーヤーです。24年オフ、アストロズとの交換トレードでカブスにやってきましたが、その時点で、アストロズがタッカーの希望する年俸は払えないと諦めたのが理由でした。23年オフ、10年7億ドル(約1015億円/当時)でドジャースと契約した大谷翔平(31)、24年オフにメッツと15年7億6500万ドル(約1148億円)で契約したフアン・ソト(27)に並ぶ大型契約になるでしょう。それだけの価値がある選手なんです」(米国人ライター)

“タッカーの価値”、つまり彼が高く評価されている理由は四球と三振の数値に表れている。24年は「三振54」に対し、「四球56」。四球を選んだ回数が三振数を上回ったことで超一流と判断され、今季も「三振88」、「四球87」と僅差で止めている。選球眼の良さから好不調の波も小さく、打つことよりも出塁することを大切にしているスラッガーなのだ。

 ドジャースを始め、ヤンキース、メッツ、ジャイアンツなどの大都市球団による“マネー戦争”が予想される中、「鈴木を放出し、彼の年俸分を加えてでもタッカーを引き止めるべき」というのが、地元シカゴ・メディアの論調だ。

「鈴木は21年オフに5年契約を結びました。その際、トレード拒否の条項も書き加えられています。契約最終年の来季までカブスでプレーしたほうが良いのか、条項を破棄し、新天地を探すべきかで地元メディアが色々と報じていますが、後者の意見のほうが多いですね」(現地記者)

 その理由はいくつかある。まず、タッカーのカブス移籍が決まった昨年オフ、鈴木の代理人であるジョエル・ウルフ氏(55)は、佐々木朗希(24)もクライアントに抱えていたため、一躍時の人となった。その佐々木の交渉過程で開かれた囲み会見のなかで鈴木のことも聞かれ、「DHにまわされることが分かっていれば、契約しなかった」と発言した。それ以来、地元カブスではこんな見方もされるようになったそうだ。

「DHではなく、守備にも就きながら試合に出たいという、鈴木の気持ちが強いことが分かりました。カブスのクレイグ・カウンセル監督は、鈴木をDHで使っていく方針に変わりはありません。鈴木を守備に就かせる球団が現れれば、カブスに残ることに執着しないと思われます」(前出・同)

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