「Wordの上書き保存」アイコンは何のマーク? 令和の時代にアップデートすべき“ビジネス死語”が実はかなり多い問題

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カタカタできる?

 さらには「バッチグー」「ナウい」「イマい」「丸金・丸ビ」「ワンレンボディコンお立ち台肩パッド」なども意味不明だろうし、平成に入ってからの言葉ももはや分からないかもしれない。「デコメ」「着メロ」「着うた」ですらそうだ。ちなみに「チョベリグ」は木村拓哉のイメージがあるが、「超ベリーグッド」の意味である。

 しかし、97年当時50代の社員も、コンピュータ関連の用語には苦労しているようだった。「お前さ、カタカタできる?」と管理部の部長が新入社員の私に言ってきたので、何のことやら? と思ったら「キーボードで入力する」の意味だった。キーボードを叩く時に「カタカタ」という音がするからそれをもってしてその言葉を使っていたのだ。

 このように言葉は世俗を反映し変化していくものだが、アイコンも若干変えた方がいいかもしれない。非常口やらエレベーター、トイレを表すピクトグラムは分かりやすいが、WordやExcelの「保存」アイコンはもはや意味が分からないのではないだろうか。正方形で左下部分は少し斜めになり、上と下に横長の白い部分がある、あのアイコンだ。

 3.5インチのフロッピーディスクを意味しているのだが、3.5インチのフロッピーは2000年代前半でもう一般的には使われなくなっただろう。なにしろ容量が1.44MBしかないため、今や高解像度の写真1枚すら保存することができない。それでも最新のOfficeソフトではこのアイコンが使われ続けている。

「そういうものなのだから覚えろ」という言い分は分かるものの、普通に「SAVE」などと書かれてあってもいいのではなかろうか。携帯電話の電波具合とWi-Fiの強さを示すアイコンは「縦4本線」と「波型の4本線」でこれは分かりやすい。スピーカーの音量を示すアイコンも、電源の状況を示すアイコンも非常に分かりやすい。

 なぜ、ここまで頑なにフロッピーディスクを使うのか、いくらロートルになった52歳のオッサンであろうとも理解できないのである。あと、中高年男性にとっては当たり前の「野球用語」もビジネスに使うと意味不明になるので気を付けた方がいい。「我が社のエースで四番」や「全員野球で乗り切る」「直球ど真ん中の企画だけではなく、変化球も混ぜ込んでいこう」などである。

ネットニュース編集者・中川淳一郎

デイリー新潮編集部

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